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Ann Intern Med誌から
ICD埋め込み後の合併症リスクは女性の方が高い
適用基準は性差を考慮する必要?

 埋め込み型除細動器ICD)の適用率、ならびに利益とリスクに性差はあるのだろうか。この疑問に基づいて住民ベースの前向き研究を行ったカナダToronto大学のDerek R. MacFadden氏らは、男性に比べて女性の方が埋め込みから1年以内にICDが作動する頻度が低く、術後の合併症リスクは高いことを明らかにした。論文は、Ann Intern Med誌2012年2月7日号に掲載された。

 著者らは、カナダのオンタリオ州で、07年2月から10年7月までにICDの埋め込みが考慮されて18カ所の専門施設に紹介された患者6021人(男性4733人〔平均年齢65歳〕、女性1288人〔平均年齢63歳〕)を埋め込み術施行から1年後まで追跡した。

 紹介された施設でのICD適用率、埋め込みから45日間と1年間の合併症罹患率、デバイス作動に関連する転帰(適切な電気ショック治療、適切な不整脈ぺーシング治療、不適切な電気ショック治療、死亡)などについて男女差があるかどうかを評価した。

 専門施設への紹介後に実際に埋め込み術を受けた患者は5450人だった。ICDが適用されなかった患者において、その理由に性差はなかった(P=0.98)。

 心臓突然死リスクが高いことから、1次予防を目的とするICD適用が考慮された男性は3396人で、うち3019人(88.9%)が実際に埋め込み術を受けた。女性は921人中803人(87.2%)に埋め込み術が行われており、性差は見られなかった。ベースラインの患者特性と併存疾患で調整した、ICD適用の(男性に対する女性の)相対リスクは0.99(0.96-1.02、P=0.61)だった。

 2次予防を目的としてICD適用が考慮された男性は1337人で、このうち実際に埋め込み術を受けたのは1276人(95.4%)。女性は367人中352人(95.9%)で、やはり差は見られなかった。調整相対リスクは1.00(0.98-1.03、P=0.85)。

 埋め込みから45日間の合併症の評価対象として条件を満たしたのは4830人、1年間の合併症の評価対象は5213人だった。

 45日間に重大な合併症(介入が必要な合併症)を経験したのは男性126人(3.3%)、女性は55人(5.4%)。男性で最も多かったのはリードの移動(1.2%)、女性に最も多かったのはリードの交換(1.9%)だった。ベースラインの患者特性、併存疾患、ICD適用の目的が1次予防か2次予防かで調整して求めたオッズ比は1.78(1.24-2.58、P=0.002)で、早期の重大な合併症は女性に多いことが示された。

 1年以内の100人-年当たりの重大な合併症発生率は、男性が7.4、女性は13.9で、率比は1.88(1.50-2.36、P<0.001)、調整ハザード比は1.91(1.48-2.47、P<0.001)になった。

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