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Arch Intern Med誌から
線維筋痛症に認知行動療法と運動療法が有効
認知行動療法は電話でも効果

 線維筋痛症の主な症状である慢性広範痛(chronic widespread pain)に、電話による認知行動療法CBT)または運動療法が有効であることが、英Manchester大学のJohn McBeth氏らが行った無作為化試験で明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌2012年1月9日号に報告された。

 慢性広範痛は患者の生活に大きな影響を及ぼす。現在のところ、慢性広範痛治療ガイドラインは、薬物療法、理学療法、心理療法を推奨しているが、それらが疼痛軽減においてどの程度有効なのかは明らかではない。これまでに行われた系統的レビューでは、運動療法と認知行動療法が有望であることが示されているが、面接での認知行動療法の提供には限りがある。

 対面にではなく、電話による認知行動療法(TCBT)も慢性広範痛に有効であることが示唆されていたが、そうしたアプローチについて評価した質の高い研究は行われていなかった。そこで著者らは、慢性広範痛に対するTCBTと運動療法、さらに、それらを組み合わせた治療をプライマリケアで提供すると、通常の治療と比べて臨床的有効性と費用対効果がどう異なるかを比較するため、無作為化試験MUSICIANを行った。

 25歳以上で、米リウマチ学会の基準を満たす慢性広範痛患者442人(平均年齢56.2歳、女性が69.5%)を登録し、無作為にTCBT(112人)、運動療法(109人)、それらの併用(112人)、または主治医の判断に任せた通常の治療(109人)のいずれかに割り付け、6カ月間適用した。通常治療以外に割り付けた3群にも、並行して通常の治療を実施した。追跡は9カ月後まで継続した。

 TCBTは以下のように行った。最初に、セラピストが認知行動療法についての簡単な説明やセラピストとの連絡方法などを患者に郵送。最初のセッションで45~60分かけて患者の状態を評価した。その後、週1回30~45分のセッションを7回実施。続けて、割り付けから3カ月後に1回、6カ月後に1回、セッションを行った。セラピストは、患者が抱えている問題の理解と分析を患者と共に行い、患者自身が2つから3つの目標を設定するよう促した。

 患者には、この試験のために作成した慢性広範痛自己管理のためのCBTマニュアルを提供。マニュアルは、架空の患者の物語のスタイルを取りながら、行動の適切な活性化、認知的再構成(好ましくない思考法の存在を調べ評価する)、ライフスタイルの修正(睡眠、疲労感、興奮性の管理)といったCBT特有のテクニックについて説明している。

 2回目から9回目までのセッションは、CBTテクニックの実行に関する内容になっており、患者は目標達成に向けて課題を遂行。後半のセッションは、再発防止に焦点を当てた内容だった。試験に参加したセラピストは4人で、CBT経験は平均11年だった。

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