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Ann Intern Med誌から
C.ディフィシル感染症に用いる抗菌薬の治癒率に差はない
系統的レビューの結果、バンコマイシンが優るとのエビデンス得られず

 クロストリジウム・ディフィシル(以下、C. ディフィシル)感染症に対する最も有効な薬物治療を明らかにするために行われた系統的レビューで、少なくともフィダキソマイシンメトロニダゾールバンコマイシンの有効性は同程度であることが示された。米Minneapolis退役軍人医療システムのDimitri M. Drekonja氏らが、Ann Intern Med誌2011年12月20日号に報告した。

 C. ディフィシル感染症は、抗菌薬の使用後に発生することが多く、院内感染症の1つとしてよく知られている。主な症状は下痢だが、重症化すると偽膜性大腸炎や中毒性巨大結腸などを発症する。近年、C. ディフィシル感染症の罹患率は上昇し、重症患者も増えている。治療法に関する研究は30年以上にわたって行われているが、最適の治療は明らかになっていない。

 そこで著者らは、成人のC.ディフィシル感染症の治療に用いられる抗菌薬の有効性を比較するために系統的レビューを行った。Medline、AMED、ClinicalTrials.gov、コクランライブラリに11年8月までに登録された英語の文献とそれらが引用している参考文献の中から、成人のC.ディフィシル感染症患者を登録し、米国内で利用可能な薬剤(バシトラシン、フィダキソマイシン、メトロニダゾール、ニタゾキサニド、リファンピン〔リファンピシン〕、バンコマイシン)を用いて治療を行い、臨床転帰を報告していた無作為化試験11件を選出した。

 試験設計、組み入れ条件と除外条件、エビデンスの質と強度(強度の等級分けにはAgency for Healthcare Research and QualityとEffective Health-Care Programによって開発された方法を用いた)、用いられている定義、治療期間と追跡期間などに関するデータを抽出した。転帰については、当初の治癒率、再発率、治療関連有害事象に関する情報を入手した。

 11件の無作為化試験に登録された患者は計1463人だった。多くが入院患者で、1人を除いて成人だった。

 3件の試験はメトロニダゾールとバンコマイシンを比較していた。8件はメトロニダゾールまたはバンコマイシンをその他の薬剤や合剤、偽薬と比較していた。研究間で、試験が行われた場所、盲検化の有無や方法、患者の人口統計学的特徴、治療期間と追跡期間、C. ディフィシル感染症の定義、治癒と再発の定義などは異なっていた。

 まず、最も多く比較が行われていたバンコマイシンとメトロニダゾールについて分析した。これら2剤を適用された患者の当初の治癒率は、バンコマイシン群が84~94%で、メトロニダゾール群は73~94%だった。これらを比較していた研究ではすべて、当初の治癒率に有意差が見られなかった。

 1件のサブグループ解析において、メトロニダゾールとバンコマイシンの重症C. ディフィシル感染症に対する有効性が比較されていたが、intention-to-treat分析では、当初の治癒率はメトロニダゾール群が66%、バンコマイシン群が79%で、差は有意ではなかった(P=0.22)。

 再発率は、バンコマイシン群が7~17%、メトロニダゾール群では5~21%で、やはり有意差は見られなかった。

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