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Ann Intern Med誌から
マンモ検診を毎年受けると、10年で6割の女性が不要な再検査指示を経験

 女性が40歳から毎年マンモグラフィーを用いた乳癌検診を受けると、10年間で6割の女性が偽陽性判定に基づく再検査の指示を1回以上受け、7%が偽陽性なのに生検の指示を受けることになる―。そんな結果が、米Washington大学(Seattle)のRebecca A. Hubbard氏らが行った大規模前向きコホート研究で得られた。検査を隔年で受ければこれらの確率は下がるが、診断時にステージIIb以上の乳癌と判定されるリスクは上昇する傾向が見られた。論文は、Ann Intern Med誌2011年10月18日号に掲載された。

 乳癌のスクリーニング法の中で、乳癌死亡率を減らせることが臨床試験で示されているのはマンモグラフィー検査のみだ。しかし他方で、偽陽性判定が出て、さらなる検査を勧められ、不安になる女性が一定の割合で出現する。著者らは、推奨通りにマンモグラフィー検診を受け続けた女性が偽陽性判定を受ける確率はどの程度なのか、さらには偽陽性判定による生検指示はどの程度の女性に行われているのかを調べるため、質の高い前向きコホート研究を行った。得られたデータを基に、毎年受診と隔年受診の利益とリスクを比較した。

 米国立癌研究所の資金を得て行われている乳癌サーベイランスコンソーシアムに所属する7カ所のマンモ登録からデータを抽出した。それらマンモ登録は、患者の特性と臨床情報、検査結果とその後の指示の有無などを登録しており、さらに癌登録などとリンクしている。

 1994年から2006年までの間に、40歳から59歳で初回のマンモグラフィー検診を受けていた女性を16万9456人抽出した。マンモグラムの合計は38万6799枚だった。初回受診が40~49歳の間だった女性が全体の78.9%を占めた。1回しか検診を受けていなかった女性は47.7%、5回以上受けていた女性が11.8%いた。追跡期間が10年以上だった女性は2.9%だった。複数回検査を受けていた女性の受診間隔は、ほぼ毎年が55.6%、ほぼ隔年が27.6%だった。それ以外の女性は3年以上の間隔を空けて検査を受けていた。

 「偽陽性での再検査指示または生検指示」は、「再検査指示または生検を指示された女性が、検診から1年以内または次の検診までのいずれか早い方の期間に、浸潤性乳癌または非浸潤性乳管癌の診断を受けなかったケース」とした。

 検診を受けた女性が、偽陽性で再検査を指示される確率の未調整値を求めたところ、初回受検時が16.3%、その後は9.6%だった。同様に、偽陽性で生検を勧められる確率は初回が2.5%、それ以降は1.0%だった。

 参照・比較するためのマンモグラムが既に存在する、すなわち、2回目以降のマンモでは、偽陽性で再検査指示を受けるリスクは初回に比べ半減していた。患者特性(生年、ホルモン補充療法、乳癌家族歴など)で調整したオッズ比は0.50(95%信頼区間0.45-0.56)だった。

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