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Arch Intern Med誌から
成人喘息へのPPI、全般では十分なエビデンスなし
無作為化試験11件のメタ分析の結果、GERDの有無で効果に差?

 喘息胃食道逆流症GERD)を併発する患者は少なくない。GERDの治療に用いられるプロトンポンプ阻害薬PPI)が喘息の症状も軽減するとの報告があるが、米Harvard大学医学部のWalter W. Chan氏らが行った無作為化試験のメタ分析の結果、成人の喘息患者一般に対するPPIの利益は小さく、広範な適用を支持するエビデンスはないことが明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌2011年4月11日号に掲載された。

 喘息患者の40~80%にGERDが見られるとの報告がある。これまでに行われた研究は、GERDが喘息を引き起こす可能性を示唆しており、いくつかの無作為化試験は、GERDの治療薬であるPPIが成人と小児の喘息の症状軽減に役立つと報告しているが、明確なエビデンスはなかった。

 著者らは、最近公表された複数の大規模無作為化試験の結果も組み込んで、GERDの症状がある、またはない成人の喘息患者にPPIを投与した場合の喘息症状に対する影響を、主観的評価指標と客観的評価指標を利用して評価する過去最大規模のメタ分析を行った。

 MEDLINE(1950年~2010年1月)、PubMed (1950年~2010年1月)、EMBASE(1980~2010年1月)、コクランセントラル(2010年1月31日まで)を対象に、18歳超の喘息患者の治療を目的としてPPIを4週間以上投与し、4~6週後に喘息の症状などを評価していた無作為化試験を選出した。

 メタ分析の主要アウトカム評価指標は、朝の最大呼気流量(PEFR)のベースラインからの平均変化量に、2次評価指標は、肺機能を示す夕方のPEFRと1秒量(FEV1.0)という客観的な指標と、喘息症状スコアと喘息QOL質問票スコアという主観的な指標に設定した。

 11件の無作為化試験(2524人の患者を登録)が条件を満たした。8件はGERDの診断を受けた患者を登録していた。11件のJadadスコアはすべて5で、いずれも方法論的質は高かった。

 これらの試験に用いられていたPPIは、オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾールで、1日用量は20~80mg、治療期間は4週から26週だった。

 主要エンドポイントの分析に必要なデータを提供していた9件(患者数は2167人)の研究を対象とする分析では、PPI治療を受けた患者の朝のPEFRの平均変化量は偽薬群より高く、差は小さいものの有意であることを示した。両群の平均変化量の差は8.68L/分(95%信頼区間2.35-15.02)。I2=30.09%で中等度の不均一性が見られた。

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