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Arch Intern Med誌から
甲状腺機能低下症のレボチロキシン服用は就寝前でOK

 レボチロキシンナトリウムは、原発性甲状腺機能低下症患者の治療に広く用いられている。この薬剤は、朝、空腹状態で服用するよう指導されるが、オランダMaasstad病院のNienke Bolk氏らは二重盲検の無作為化試験を行い、就寝直前の服用の方が甲状腺ホルモン値が向上することを明らかにした。論文は、Arch Intern Med誌2010年12月13/27日号に報告された。

 欧米では、レボチロキシンを処方される患者は、起床後、空腹状態で服用し、30分待ってから朝食を摂るよう指導される。その方が吸収が安定すると考えられてきた。

 だが、著者らの病院を受診する患者の中に、就寝前の服用に変えて以降、ホルモン値が顕著に改善した症例があったことから、Bolk氏らは11例を対象に予備的な研究を行った。この結果、就寝前に服用すると、朝の空腹時に比べ甲状腺刺激ホルモン値が有意に低下し、遊離チロキシンと総トリヨードチロニン値は有意に上昇することが示された。

 これまで、レボチロキシンの最適な服用タイミングを調べる大規模な無作為化試験は行われていなかった。そこで著者らは、就寝前服用に変えると甲状腺ホルモンの状態が向上するかどうかを調べるために、二重盲検の無作為化クロスオーバー試験を実施した。甲状腺機能低下症はQOLに大きな影響を及ぼすため、レジメンのQOLへの影響も調べた。同様に、甲状腺機能低下と心血管疾患、脂質異常症、高血圧などとの関係も示唆されていることから、血中脂質量や心拍数などへの影響も評価した。

 オランダMaasstad病院で、07年4月1日から08年11月30日まで、条件を満たした18歳以上の原発性甲状腺機能低下症患者105人を登録した。患者には6カ月間、朝の空腹時に1錠と就寝前に1錠服用するように指示した。それらのカプセルの一方はレボチロキシンを、もう一方は偽薬を含んでおり、患者はまず、朝にレボチロキシン/夜に偽薬を服用する群、または、朝に偽薬/夜にレボチロキシンを服用する群のいずれかに割り付けられ、3カ月たった時点で割り付けをスイッチした。朝は服用後30分待って朝食を摂るよう指示し、夜は就寝直前に服用するよう指導した。用量は、それぞれの患者の登録前の服用量と同じにした。

 ベースラインとその後6週ごとに、採血と、身長、体重、血圧や心拍数の測定を行った。

 QOLはスイッチ前と試験終了時に評価。SF-36、Hospital Anxiety and Depression scale(HADS)、20項目からなるMultidimensional Fatigue Inventory(MFI-20)、症状に関する質問票を使用した。

 主要アウトカム評価指標は甲状腺ホルモン値とし、2次評価指標はクレアチニン値と脂質レベル、BMI、心拍数、QOLに設定した。

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