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Arch Intern Med誌から
外科処置以外の誘因で起きたVTEは再発リスクが高い

 初回の症候性静脈血栓塞栓症VTE)後の再発リスクは、初回VTEの誘因となった危険因子によって異なるのだろうか。イタリアPerugia大学のAlfonso Iorio氏らは、一過性の危険因子に誘発されたと見なされる症候性VTE患者の、抗凝固薬治療終了後の再発リスクと、当初の危険因子の関係を調べるメタ分析を行った。その結果、VTE再発リスクは、初回VTEが外科的処置に誘発された患者では低く、外科的処置以外の危険因子に誘発された患者では中等度であり、初回が非誘発性(明らかな危険因子が見当たらないのに発生)VTEだった患者では高いことが明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌2010年10月25日号に掲載された。

 抗凝固薬投与が中止された後のVTE再発には、初回発生時の危険因子が強力に関与すると報告されている。通常、一過性の危険因子を有していた患者は再発リスクが低いと考えられており、抗凝固薬投与は3カ月で中止される。一方、持続的な危険因子を保有する患者、または非誘発性VTEだった患者の再発リスクは高いため、治療は長期間もしくは無期限に継続される。

 これら「一過性の危険因子」はひとくくりにされることが多いが、再発リスクは危険因子ごとに異なると考えられる。再発リスクをより正確に予測することは、治療期間や観察期間の決定において重要だ。そこで著者らは系統的レビューを行い、一過性の危険因子を外科的な因子とそれ以外の因子に分けて、再発との関係を調べることにした。

 文献データベース(MEDLINE、EMBASE、コクランセントラル)から、一過性の危険因子(癌は除く)によって誘発された初回の症候性VTEで、3カ月以上にわたって抗凝固薬の経口投与を受けた患者を追跡していた前向きコホート研究と無作為化試験を選出した。

 15件(無作為化試験が5件、コホート研究が10件)が条件を満たした。うち13件が治療中止後12カ月間の、11件は24カ月間の追跡結果を報告していた。すべての試験のデータをプールして分析した。

 一過性の危険因子を保有する患者全体では、抗凝固薬の投与中止から12カ月後までのVTE再発は、2273患者-年の追跡で96件で、1患者-年当たりのイベント発生率は3.1%(95%信頼区間2.0-4.2%)だった。

 24カ月の時点では、4186患者-年の追跡で、再発は150件だった。再発率は、1患者-年当たり3.3%(2.8-3.9%)となった。

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