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Ann Intern Med誌から
初回VTE後のDダイマー検査は再発リスクの予測に有用
抗凝固薬の使用中止時期や年齢の影響を受けない

 非誘発性の静脈血栓塞栓症VTE)を初めて経験した患者において、抗凝固療法を中止した後のDダイマー検査陽性は一貫して再発高リスクを意味することが、メタ分析で明らかになった。カナダMcMaster大学のJames Douketis氏らが、Ann Intern Med誌に2010年10月19日に報告した。

 初回VTE後のDダイマー検査陽性は、VTE再発の危険因子と見なされる。だが、(1)測定時期が抗凝固薬使用中止から何週間目かによって予測能力が異なるのではないか、(2)年齢と共に上昇するDダイマー値が高齢者のVTE再発リスクの予測に利用できるのか、(3)予測における有用性は測定法またはカットオフ値に依存しないのか―といった疑問に対する回答が得られていなかった。

 そこで著者らは、これらの疑問に対する信頼性の高い回答を得るために、患者レベルのメタ分析を実施した。

 文献データベース(MEDLINE、EMBASE、CINAHL、コクラン比較臨床試験登録)に10年7月までに登録された無作為化試験または前向きコホート研究の中から、初回非誘発性VTE患者を対象に抗凝固薬中止後のDダイマー値とVTE(近位深部静脈血栓症または肺塞栓症、もしくはそれら両方)再発の関係を調べていた前向き研究7件を選出した。

 これらの研究は、登録患者全員に標準的な抗凝固療法を適用しており、投与終了後にDダイマー値を測定し、その後のVTE再発を追跡していた。

 著者らは、それらの研究のデータから患者レベルの情報を収集し、単一データベースにプールして、Dダイマー検査を行うタイミング、患者の年齢、陽性/陰性判定に用いるカットオフ値が、この検査の再発リスク予測能力に影響を与えるかどうかを分析した。

 非誘発性VTEは、主なVTE危険因子(外科手術、外傷、癌、不動状態、妊娠、産褥など)を持たない人に発生したVTEと定義した。ホルモン療法または遺伝的な血栓形成傾向は危険因子に含めなかった。

 計1818人の初回非誘発性VTE患者が平均26.9カ月追跡されていた。1818人のうち、1806人が遺伝的な血栓形成傾向を調べる検査を受けており、うち269人が第V因子Leidenに変異を有し、109人は第II因子に変異を持ち、74人は高ホモシステイン血症、15人はプロテインC欠乏症またはプロテインS欠乏症と判定されていた。

 Dダイマー検査には5通りの方法が用いられていた。個々の試験を実施した研究者が、検査陰性と判定していた患者は992人(54.6%)、陽性は826人(45.4%)だった。

 検査実施時期が記録されていたのは1613人(88.7%)で、抗凝固療法中止からの日数の中央値は30.0日だった。

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