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Ann Intern Med誌から
冠動脈疾患に末梢血の遺伝子検査
米CardioDx社が開発した「Corus CAD」が有用性示す

 米CardioDx社は、末梢血を標本として23遺伝子の発現を分析し、胸痛がある非糖尿病患者における閉塞性冠疾患CAD)の存在を予測する検査を昨年から提供している。この検査の精度を確認した研究の詳細が、同社のSteven Rosenberg氏らによってAnn Intern Med誌2010年10月5日号に報告された。その能力は診察に基づく閉塞性CAD予測法と同等かそれ以上であることが明らかになった。

 胸痛などの症状があってCADが疑われる患者に適用できる簡便な血液検査はこれまでなかった。そうした患者の診断には、非侵襲的なイメージングや侵襲的な冠動脈造影が用いられている。

 新たに登場した検査、「Corus CAD」が予測するのは、閉塞性CAD(アテローム性動脈硬化によって、冠動脈のうち内腔径が1.5mm以上の血管が少なくとも1本以上、50%以上狭窄している。内腔狭窄率は定量的血管造影法により判定)の存在だ。同社は、冠動脈のアテロームプラークに存在する泡沫細胞が化学信号を発信し、血液細胞の遺伝子発現パターンを変化させるとの考えに基づいて、関与する遺伝子の探索を進め、最終的に23遺伝子の発現パターンを調べる血液検査「Corus」を開発、昨年から米国の一部で提供を開始した。既に一部保険会社がこの検査に対する保険償還を実施している。

 この検査の適応は、胸痛がある21~99歳の患者のうち、以下の条件を持たない人々だ:心筋梗塞歴、冠動脈狭窄に対する介入歴、糖尿病、炎症または感染症、ステロイド/免疫抑制薬/化学療法薬の投与。末梢血を採取し、同社のラボに送付すると、数日のうちに判定が得られる。分析結果は0~40のスコアで示されるが、その数値に基づいて判定された閉塞性CADである可能性が%で提示される(結果のサンプルは同社のホームページで閲覧できる)。患者と主治医は、これを診察結果と組み合わせて介入法を決定することになる。

 対象が非糖尿病患者に限定されているのは、糖尿病患者では発現を評価すべき遺伝子のセットが異なるためだという。

 今回の論文は、アルゴリズム構築コホートを用いて作製した遺伝子発現プロファイルに基づく閉塞性CAD診断アルゴリズムの精度を、確認コホートを用いて評価した結果を報告している。

 米国内39施設で多施設前向き研究PREDICTを実施。07年7月から09年4月まで、(1)胸痛がある、(2)狭心症が疑われる症状がある、または(3)CADリスクが高い、という理由から冠動脈造影が必要と判断された患者のうち、心筋梗塞や血行再建術、閉塞性CADの既往がない人々を登録した。条件を満たした1343人を、アルゴリズム構築コホート(694人)と確認コホート(649人)に分けた。全体の57%が男性、37%が閉塞性CAD(それぞれ230人と192人)で、26%にはCADは見付からなかった。

 すべての患者から、臨床データ(社会統計学的特徴、投薬歴、医療歴、心筋灌流イメージングの結果)を標準化された方法で収集、定量的冠動脈血管造影を実施し、狭窄率を計算した。

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