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Arch Intern Med誌から
痛風歴のある心不全患者の転帰がアロプリノールで向上

 心不全患者が痛風歴を持っていると、心不全による再入院または全死因死亡のリスクが有意に高まること、また、それらの患者にアロプリノールを投与するとリスク上昇がみられなくなることが、大規模な集団ベースの後ろ向きコホート研究で明らかになった。カナダMcGill大学のGeorge Thanassoulis氏らが、Arch Intern Med誌2010年8月9/23日号に報告した。

 心不全患者において、血清尿酸値の上昇と酸化ストレスの増加は死亡リスク上昇をもたらすと考えられている。だが、患者に痛風歴がある場合に心不全の転帰に有意な影響が及ぶのかどうかは明らかではなかった。

 痛風治療薬として広く用いられているアロプリノールは、尿酸値を下げ、急性痛風発作を予防するとともに、抗酸化作用を有する。動物モデルでは、この薬剤の心機能改善、死亡率低減作用が示されている。ヒトでも尿酸値が高い心不全患者には有効である可能性が示されていた。

 今回著者らが行ったネステッドケースコントロール研究は、カナダの医療データベースに登録されていた66歳以上の患者のうち、1998年4月から2004年3月までに症候性心不全による初回入院歴がある2万5090人(平均年齢77歳)を対象コホートとした。中央値2.1年の追跡期間中に、心不全または全死因死亡を経験した(いずれか早いイベントをカウント)1万4327人をケースとし、年齢や性別がマッチするコントロールを、ケース1人当たり最高10人まで、計14万3255人選出した。

 それらケースとコントロールを対象に、最長で過去5年以内の痛風の診断(痛風歴あり)、最近の急性痛風発作、アロプリノールの継続使用が、心不全による再入院または全死因死亡からなる複合イベントに及ぼす影響を、既知の予後予測因子(心筋梗塞、腎不全、利尿薬の1日用量、心不全を悪化させる可能性がある痛風治療薬の使用など)で調整し、条件付ロジスティック回帰モデルを用いて推定した。

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