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Arch Intern Med誌から
ワクチン対象外の血清型による侵襲性肺炎球菌疾患が米国で増加

 小児用の肺炎球菌ワクチンを導入した米国で、ワクチンに含まれない血清型の肺炎球菌による侵襲性疾患で入院する成人患者が増加し、この疾患の罹患率自体も上昇していることが明らかになった。米Pennsylvania大学のJoshua P. Metlay氏らが、Arch Intern Med誌2010年4月26日号に報告した。

 米国では2000年に7価の肺炎球菌結合型ワクチンが承認され、小児に定期接種されるようになった。その後、幼児の侵襲性肺炎球菌感染症は劇的に減少。さらに、高齢者においても、ワクチンが対象とする血清型の肺炎球菌による侵襲性の感染症が大きく減少した。

 しかし先頃、小児と成人において、ワクチンに含まれない血清型による侵襲性疾患が増えていると報告された。流行する血清型が変化すれば、ワクチンの有効性は低下する可能性がある。また、保菌状況や侵襲性疾患の罹患率、易罹患性にかかわる危険因子なども変化するだろう。

 そこで著者らは、18歳以上の成人を対象とする菌血症性肺炎球菌疾患に関する集団ベースのサーベイランスの一環として、この病気を引き起こす血清型の変化とこの疾患の危険因子の変化を調査した。

 フィラデルフィア州Pennsylvania近辺の5郡の急性期病院48施設で、2002年10月1日から2008年9月30日まで、市中獲得型の菌血症性肺炎球菌疾患(以下「疾患」)で入院したすべての成人患者(2418人)に関するデータを収集した。分離された肺炎球菌の血清型を調べ、患者特性に関する情報を得た。なお、患者本人のワクチン接種歴については確認が難しかったため、分析に加えなかった。

 この疾患の成人患者は、02年から08年の間に年7%ずつ増加していた(傾向性のp=0.007)。あらゆる血清型による年間罹患率は、02~03年が10万人当たり12.8、07~08年は15.4だった。

 年齢別の罹患率は、02~03年には、18~49歳が10万人当たり5.8、50~64歳が12.9、65~79歳は30.0、80歳以上が63.2だった。07~08年はそれぞれ7.9、18.9、26.8、53.6だった。

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