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Arch Intern Med誌から
胸腔穿刺時の超音波ガイドで気胸リスクが7割減
危険因子は超音波不使用、治療目的の穿刺、太い針など

 胸腔穿刺時に超音波ガイダンスを用いると、気胸の発生リスクが7割減少することが、米Boston 大学医療センターのCraig E. Gordon氏らが行ったメタ分析で判明した。気胸発生リスクの上昇には、穿刺時の超音波ガイダンスの不使用、治療目的の穿刺、太い穿刺針の使用、穿刺時の胸腔内への空気流入、穿刺前後の咳、呼吸困難、胸痛の存在が関係していた。論文は、Arch Intern Med誌2010年2月22日号に掲載された。

 胸腔穿刺後の気胸は、合併症リスクや死亡リスクを高め、入院期間を延ばす。これまで、こうした医原性気胸に関連する因子についてはほとんど知られていなかった。修飾可能な危険因子が同定できれば、胸腔穿刺の安全性向上に利用できるはずだと考えた著者らは、胸腔穿刺後の気胸の発生率を調べ、気胸発生の危険因子を同定するために、系統的レビューとメタ分析を行った。

 1966年1月1日から2009年4月1日までにMedlineに登録された研究の中から、10人以上の患者を登録し、胸腔穿刺後の気胸発生について報告していた研究を選出。気胸発生率、気胸の危険因子、研究の方法論的な質に関するデータを抽出した。

 気胸の危険因子候補は、患者側の要因と胸腔穿刺施行にかかわる要因に分けた。患者側の要因として、性別、胸水量、多房性胸水、胸腔穿刺を受けた場所(入院中、外来、集中治療部門)など、施行にかかわる要因としては、施行中の超音波ガイダンス、施行者の経験レベル、穿刺回数、診断目的か治療目的か、などに関する情報を収集し、気胸発生との関係を分析した。

 24件の研究が条件を満たした。うち12件が方法論的な質は高いと判定された。

 胸腔穿刺は計6605件行われており、その後の気胸の発生は349件だった。個々の研究の気胸発生率は0%から19.2%で、有意な不均質性が認められた。

 全体では気胸の発生率は6.0%(95%信頼区間4.6%-7.8%)で、うち34.1%が胸腔チューブの挿入を必要とした。

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