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PLos Currents:Influenzaから
新型ウイルスは季節性に比べて生物学的に優位
フェレットを用いた実験の結果から

 フェレットを用いた感染実験により、季節性インフルエンザウイルスに比べ、新型インフルエンザウイルス(2009 H1N1)が明らかな生物学的優位性を持つことが示された。米Maryland大学のDaniel Perez氏らが、速報をPLos Currents:Influenzaに2009年8月25日に報告した。

 2009年の夏の初め、南半球では、2009 H1N1に加えて季節性のH1ウイルスとH3ウイルスが検出された。しかしその後、2009 H1N1が優勢になった。幸いなことに、これまでのところ季節性ウイルスと2009 H1N1の遺伝子再集合体ウイルスの報告はない。

 今回著者らは、フェレットを用いて、2009 H1N1と季節性のH1、H3ウイルスの特徴を比較し、新型と季節性のウイルスを共感染させる実験を行った。その結果、2009 H1N1ウイルスの方が、感染個体から非感染個体に伝播しやすいことが示された。また、季節性ウイルスとの共感染実験では、遺伝子再集合ウイルスは検出されなかった。なお、共感染個体から感染した個体には2009 H1N1のみが認められたことから、北半球のインフルエンザ流行期には、2009 H1N1が優位を占めると考えられた。

 著者らまず、季節性H1N1(A/Brisbane/59/07:BR/59)、季節性H3N2(A/Brisbane/10/07:BR/10)、2009 H1N1(A/California/04/09:Ca/04、流行のごく初期の段階に分離されたウイルス株)を感染させたフェレットを用いて、直接感染、または間接感染実験を行い、ウイルス力価などを比較した。

 同じケージに感染個体と非感染個体を入れた直接感染実験、感染個体を入れたケージを、非感染個体を入れたケージと隣り合わせに置いた間接感染実験の両方で、Ca/04は季節性ウイルスより効率良く増殖した。

 Ca/04のウイルス力価は、特に直接感染個体において、季節性の2つの株より高かった。Ca/04は呼吸器から得たすべての標本に存在しており、気管支肺炎に至る肺うっ血と炎症性細胞の浸潤が顕著だった。一方、季節性ウイルスが一貫して検出されたのは鼻甲介と気管のみだった。

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