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Ann Intern Med誌から
成人へのNA阻害薬の予防投与はインフル発症を74%減らす
4週以上投与した無作為化試験のメタ分析の結果

 ノイラミニダーゼ(NA)阻害薬の4週以上にわたる予防的投与は、症候性インフルエンザの発症リスクを74%減らし、有害事象のリスクは偽薬群と差がない――。そんなメタ分析の結果を、米Stanford大学のNayer Khazeni氏らが、Annals of Internal Medicine誌2009年8月6日号に報告した。

 世界の65カ国以上が、インフルエンザのパンデミックに備えてノイラミニダーゼ阻害薬を備蓄している。ノイラミニダーゼ阻害薬は、治療に用いられるだけでなく、ワクチンが利用できるようになるまでの期間の化学予防の主役となる。

 季節性インフルエンザの場合は、重症化リスクが高くワクチンが禁忌の人々にノイラミニダーゼ阻害薬が予防的に用いられている。

 ノイラミニダーゼ阻害薬を長期的に用いた場合の安全性と有効性を明らかにするため、著者らは、季節性のA型インフルエンザの化学予防を目的として、オセルタミビルザナミビルペラミビルを4週以上使用した二重盲検の無作為化試験を対象に、系統的レビューと定量的分析を試みた。

 2009年6月11日までにデータベース(Medline、EMBASE、Biosis、コクランセントラルなど)と臨床試験登録(米食品医薬品局、GlaxoSmithKline社、またはRoche社保有のもの)に登録された研究の中から、アウトカムとして、症候性のインフルエンザ確定例、無症候性のインフルエンザ確定例、有害事象のいずれか1つ以上について報告していた研究を選出した。

 確定例は、ウイルス培養で陽性、または、ペア血清で抗体価が4倍以上上昇した症例と定義。37.2度以上の発熱、筋痛、疲労感、頭痛、咳、のどの痛み、鼻詰まりといった症状が1つ以上あったケースを症候性とした。

 7件の研究(7021人を登録。年齢の中央値は34.7歳)が条件を満たした。12歳未満を登録した研究はなく、18歳未満を対象に含めていた研究は1件のみだった。

 6件は白人を中心に登録しており、1件は日本人のみを対象にしていた。5件は健康な人々、1件はワクチン接種が推奨される人々、1件は施設に入所している高齢者のうちインフルエンザ重症化リスクが高い集団を登録していた。

 3件は季節性インフルエンザに対するワクチン接種者を除外しており、3件はワクチン接種者と非接種者の両方を登録しており、1件は登録者全員がワクチン接種を受けていた。

 7件のうち4件はオセルタミビルと偽薬を、3件はザナミビルと偽薬を比較しており、オセルタミビルとザナミビルを直接比較した研究はなかった。ノイラミニダーゼ阻害薬の投与期間は28日から42日で、中央値は42日だった。

 偽薬群の症候性インフルエンザ確定例の割合は、5.8%から13.7%(平均6.38%)だった。

 7件の研究の質は全体として良好だった。

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