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Arch Intern Med誌
TSH濃度が異常の女性はアルツハイマー病リスクが高い
フラミンガム研究のデータを分析した結果

 高齢者を対象に甲状腺刺激ホルモンTSH)レベルとアルツハイマー病の関係を調べた結果、女性のみ、ホルモン値が高いまたは低い場合にアルツハイマー病リスクが2倍以上になることが示された。米国Beth Israel Deaconess Medical CenterのZaldy S. Tan氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌2008年7月28日号に掲載された。

 甲状腺機能障害甲状腺機能亢進症は、回復可能な認知症を引き起こすことが知られている。内分泌系の異常、たとえば、インスリン抵抗性、ステロイドレベルの上昇、エストロゲンとテストステロン値の低下なども、アルツハイマー病その他の認知症に関係することを示すデータが蓄積されている。

 甲状腺機能が正常範囲内でTSH高め、または、低めの人々を対象に認知機能との関係を調べた研究では、一貫した結果が得られていなかった。著者らは今回、フラミンガム研究で前向きに収集されたデータを用いて、高齢者におけるTSH値とアルツハイマー病の関係を調べた。

 対象となったのは、フラミンガム研究のオリジナルコホートのうち、認知機能が正常だった1864人(平均年齢71歳、59%が女性)。平均12.7年追跡して、アルツハイマー病とあらゆる認知症の発症の有無を調べた。

 TSH濃度は、1977年3月~1979年11月に採取した血液標本を用いて1990~1991年に測定したデータを用いた。

 認知症は、MMSE(Mini Mental State Examination)を実施するともに、利用できるすべての情報(神経科医による診察記録、フラミンガム研究の記録、入院記録、かかりつけ医からの情報、家族からの情報、CTとMRIの結果、剖検記録など)を収集し、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSMMD)に基づいて診断した。

 アルツハイマー病については、米国立神経疾患/コミュニケーション障害/脳卒中研究所と、米アルツハイマー病関連疾患協会の基準を用いて診断した。

 TSH濃度に基づいて対象者を3分位に分割、第二3分位群を参照とし、年齢、ApoEε4アレル(アルツハイマー病の遺伝子素因)の有無、教育歴(高校を卒業したかどうか)、血漿ホモシステイン値、喫煙、BMI、脳卒中既往、心房細動歴で調整し、性別別にCox比例ハザードモデルを用いて分析した。

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