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Arch Intern Med誌から
低脂肪食に換えるだけでは糖尿病リスクは下がらない
主要栄養素の摂取バランスよりも体重減少が重要

2008/08/21

 摂取熱量が同じでも、食物から摂取する脂肪を減らせば、糖尿病リスクは下がるのだろうか。これを検証するため、糖尿病の罹患率が急速に上昇する閉経女性を対象に無作為化試験を行った結果、低脂肪食に換えるだけでは糖尿病リスクは低下しないことが示された。米国Fred HutchinsonがんセンターのLesley F. Tinker氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌2008年7月28日号に掲載された。

 耐糖能異常と判定された人が、低脂肪食を実践すると同時に積極的に運動して体重を減らすと、糖尿病リスクが下がることは明らかになっている。そのため運動量に変化がなくても、低脂肪食に換えればエネルギー摂取量が低下し、体重が減少して、糖尿病リスクに好ましい影響が現れる可能性がある。今回著者らは、体重減少なし、運動量増なしでも、低脂肪食を継続すれば閉経女性の糖尿病リスクは下がると仮定し、健康な閉経女性を対象に低脂肪食が糖尿病リスクに与える影響を調べた。

 無作為化比較試験は、米国内の40医療機関で1993~2005年に行われた。Women’s Health Initiative (WHI)に参加した女性のうち、50~79歳の閉経女性4万8835人を登録した。癌などの既往がなく、総熱量の32%以上を脂質から摂取していた女性を選んだ。

 これら被験者を、通常の食事(対照群、2万9294人、60.0%)または低脂肪食(介入群、1万9541人、40.0%)に割り付けた。

 介入群に対しては、生活改善のためのグループセッションを実施した(初年度18回、その後は毎年4回)。摂取熱量を減らすことは求めず、体重減少の目標も定めなかった。総熱量に占める脂質の割合は20%を目標とし、1日に5皿以上の野菜または果物、1日に6皿以上の穀物の摂取を推奨した。

 一方の対照群には、国が食生活についてまとめたガイドライン『Dietary Guidelines for Americans』を与えたが、食生活の変更は求めなかった。

 追跡期間は平均8.1年で、6カ月おきの受診の際に処方薬と市販薬の使用について聞き取り調査を実施し、糖尿病に対する経口治療薬またはインスリンの使用開始の有無を確認した。食事の内容は、食物摂取頻度調査票を用いてモニターした。

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