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Annals of Internal Medicine誌から
H. pylori除菌は3剤併用より4剤順次投与が有効
10日間の順次投与が初回除菌に対する標準治療になる可能性を示唆

 Helicobacter pylori感染者にプロトンポンプ阻害薬PPI)と抗菌薬を併用しても、除菌に失敗する患者が増加している。標準的な3剤併用と、4剤を順次投与する方法の除菌率を比較した無作為化試験を対象に系統的レビューとメタ分析を行った結果、順次投与の方が有効であることが示唆された。米国Louisville大学のNadim S. Jafri氏らの報告で、詳細はAnnals of Internal Medicine誌2008年6月17日号に掲載された。

 欧米のH. pylori除菌の標準治療は、PPI+クラリスロマイシン+アモキシシリンまたはイミダゾール、の3剤併用となっている。投与期間は、欧州が通常7日間、米国では7日、10日、14日間のレジメンが承認されている(日本では、H. pylori除菌はPPI+クラリスロマイシン+アモキシシリンが第1選択で、7日間投与される)。

 当初、これらの治療の除菌率は高かったが、徐々に除菌失敗例が増え、現在では約4分の1の患者で除菌に失敗するといわれている。その理由は、H. pyloriのクラリスロマイシン耐性またはイミダゾール耐性獲得にある。

 治療として好ましいのは、短期間で除菌率90%超が達成できるレジメンだ。これを実現すると期待されているのが、10日間の順次投与療法だ。最初の5日間はPPIと抗菌薬1剤(通常はアモキシシリン)を、その後5日間は、PPIと、それまでとは異なる抗菌薬2剤(クラリスロマイシン+5-ニトロイミダゾール)を用いる。

 著者らは、文献データベースから、初回の除菌を受けるH. pylori感染者を対象に標準的な3剤併用治療(期間は7日または10日)と4剤順次投与法(10日間)の除菌率を比較した無作為化比較試験を抽出、条件を満たした10件(登録患者は2747人で1402人が男性)を分析の対象にした。

 9件は標準治療にPPIを使用していたが、1件はPPIの代わりにラニチジン(H2受容体拮抗薬)を適用。順次投与療法はすべてPPIを使用していた。

 順次投与に割り付けられた患者の総数は1363人、標準治療群は1384人。プールした除菌率は、順次投与群が93.4%(95%信頼区間 91.3-95.5)、標準治療群は76.9%(71.0-82.8)で、順次投与による相対リスク減少は71%(64-77)、絶対リスク減少は16パーセンテージポイント(14-19パーセンテージポイント)となった。

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