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AIM誌から
肥満に伴う冠疾患リスク、運動するだけではなくならない
運動と体重管理の両方が重要

 過体重肥満による冠疾患リスク上昇は、積極的に運動しても完全に消し去ることはできず、予防には運動と体重管理の両方が重要であることが、中高年女性を対象とする前向きコホート研究の結果、明らかになった。米国Beth Israel Deaconess医療センターのAmy R. Weinstein氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌2008年4月28日号に掲載された。

 著者らは、Women’s Health Study(WHS)の被験者のうち、ベースラインで心血管疾患、癌、糖尿病でなかった女性3万8987人を平均10.9年追跡した。登録時に体重、身長と、過去1年間のレクリエーション活動、毎日上る階段の数などを尋ねた。

 レクリエーション活動は8群(ウォーキングとハイキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、有酸素運動と有酸素ダンス、水泳、テニス・スカッシュ・ラケットボール、低強度運動)に分けた。次に、それぞれの運動の消費熱量に基づいて代謝等量(METS)スコアを求めた。1METは体重1kg当たり1時間に1kcalの消費を意味する。これを基に1週間の総運動量を計算した。1週間にレクリエーション活動で1000キロカロリー以上を消費する女性を「活動的」と判定。全体の34%が活動的な生活を送っていた。

 BMIは、25未満が正常体重、25以上30未満は過体重、30以上を肥満とした。そしてBMIと運動のレベルを組み合わせて、被験者を6群に分けた。正常体重で活動的(7293人、平均年齢54.5歳)、正常体重で非活動的(1万2525人、54.5歳)、過体重で活動的(4062人、55.4歳)、過体重で非活動的(7992人、54.9歳)、肥満で活動的(1916人、54.1歳)、肥満で非活動的(5194人、539歳)。

 冠疾患リスクの推定にはCox比例ハザードモデルを用いた。多変量モデルは、年齢、親の60歳前の心筋梗塞歴、飲酒頻度、喫煙、ホルモン補充療法、食物頻度質問票に基づく食物摂取内容、WHS試験で割り付けられた治療で調整。2番目のモデルは、さらに高血圧、高脂血症、糖尿病などを調整に加えた。

 主要アウトカム評価指標は追跡期間中の冠疾患イベント(心筋梗塞、冠動脈バイパス術、経皮経管的血管形成、冠疾患死亡)発生率に設定した。

 追跡期間中のイベント発生は948人。BMI高値と運動不足はいずれも冠疾患の予測因子だった。BMIが上昇すると冠疾患リスクも上昇。交絡因子で調整したハザード比は、過体重群が1.64(95%信頼区間1.39-1.93)、肥満が2.13(1.77-2.56)(傾向性のP<0.001)。また、活動的な女性のリスクはそうでない女性に比べ低かった(ハザード比0.82、0.70-0.96)。

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