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AIM誌から
推奨降圧治療では高血圧性CKD患者の腎疾患進行を止められない
アフリカ系米国人を対象とした研究の結果

 高血圧性の慢性腎疾患CKD)患者に対して推奨されている降圧治療(長期的にACE阻害薬を投与し血圧の目標値を低めに設定)の腎疾患進行に対する影響をアフリカ系米国人を対象に調べた結果、推奨治療を受けていても、約3分の1の患者では腎機能のゆるやかな低下が見られることが示唆された。米国Johns Hopkins大学Lawrence J. Appel氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌2008年4月28日号に掲載された。

 米国では、高血圧性のCKDが公衆衛生上の問題の一つになっている。特にアフリカ系米国人にとって問題は深刻だ。米腎臓データシステムによると、アフリカ系米国人の末期腎疾患患者の37%は、高血圧が原因と考えられている(白人ではその割合は19%に留まる)。白人に比べアフリカ系米国人は、降圧治療を受けていても腎疾患が進行しやすいという報告もある。

 研究者たちは、アフリカ系米国人の高血圧を合併するCKD患者を対象に、現在推奨されている治療の長期的な影響を調べた。試験は、当初、無作為化試験(1995~2001年)として行われ、続いて多施設コホート研究(2002~2007年)に移行した。いずれも期間もアウトカム評価指標は、血清クレアチニン値の2倍化、末期腎疾患(透析開始または腎移植の実施)、死亡を組み合わせた複合イベントに設定された。

 最初に1094人(平均年齢54.6歳)を登録。糸球体濾過量GFR)が20~65mL/分/1.73平方メートル(以下、単位はmL/分と略)、拡張気血圧が95mmHgを条件とした。

 患者を無作為に降圧薬3剤、ACE阻害薬(ラミプリル)、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬アムロジピン)、β遮断薬(徐放型メトプロロール)のいずれかに割り付け、さらにそれぞれのグループを2分して、血圧の目標値を通常値(140/90mmHg)、または低値(130/80mmHg未満)に設定した。最大耐用量を投与しても目標が達成できない場合には、他の降圧薬(利尿薬フロセミドα遮断薬ドキサゾシンなど)を追加するとした。

 無作為化試験では、他の2剤に比べACE阻害薬投与群で、CKDの進行は遅かった。グループ内では血圧の目標値が違ってもCKDの進行の状態には差はなかった。無作為化試験期間中に複合イベントを経験しなかった患者759人(平均年齢60.2歳)をオープンラベルのコホート研究に登録。無作為化試験の終了時をコホート試験の追跡期間の始まりとした。

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