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AIM誌から
腎機能不全と心血管リスクの評価にはUAEとeGFRの併用が有効
高UAEで低eGFRの患者が最もハイリスク

 腎機能不全診断と心血管リスク推定への影響を評価する前向き研究の結果、尿中アルブミン排泄量UAE)と推定糸球体濾過率eGFR)のいずれか一方を指標として腎機能を評価すると、腎不全患者を見落とす危険性があることが示唆された。加えて、腎機能不全と心血管疾患の関係は、高UAEと低eGFRの両方を持つ患者で特に強力であることが示された。イタリアナポリ第二大学のMassimo Cirillo氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌2008年3月24日号に掲載された。

 腎機能を示すUAEとeGFRについては、それぞれ別個に心血管リスクとの関係が示されていた。著者らは、UAEとeGFRを併用すると補完的な情報が得られると仮説を立て、イタリア中央部の都市グッビオで行われたGubbio Population Studyに参加した人々の中から、ベースラインでUAEが測定されていた45~64歳(1989~1992年の時点の年齢)の男女1665人を選んで長期追跡(追跡期間の中央値は10.4年、1万7336人-年の追跡)を行った。

 このうち、心血管イベント発生(入院または死亡)は110件で、その他の病気による死亡は86件だった(発生率は心血管イベントが0.64%/年、その他の病気による死亡は0.50%/年)。

 UAEは最高十分位群を高値とした(男性で18.61μg/分以上、女性で15.77μg/分以上)。eGFRは最低十分位群を低値とした(男性で64.20mL/ 分/1.73平方メートル未満、女性で57.90mL/分/1.73平方メートル未満)。

 腎機能不全の判定は、1マーカーの場合にはUAE高値、または eGFR低値とした。2マーカー併用では、低eGFRはないがUAEは高値、UAE高値はないがeGFRが低値、または、UAE高値でGFR低値の3群を腎機能不全と判定した。なお、参考として、臨床診断に用いられる閾値(UAEが20μg/分以上、eGFRが60mL/分/1.73平方メートル未満)も使用した。

 腎機能不全の判定に2マーカーを用いると、いずれか一方を指標とした場合に比べ、腎不全患者の頻度が上昇した(P<0.001)。ベースラインで、UAEが高値でeGFR正常は144人、eGFRが低値でUAE正常は144人、高UAEかつ低eGFRは23人だった。従って、UAE高値のみを指標とすると、腎機能不全は167人(10.0%)、eGFR低値のみを指標とすると167人(10.0%)となった。

 ところが、高UAEの患者と低eGFRの患者の多くが重複していなかったことから、2マーカー併用で腎機能不全と判断される患者は311人(18.7%)になり、その数は単一マーカーの時の1.86倍(P<0.001)に増加していた。

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