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血栓溶解治療を受けた患者の予後に性差あり
女性の30日時の死亡リスクは男性の2倍

 性別が急性心筋梗塞の出血、死亡の独立した危険因子かどうかを明らかにするため、大規模試験GUSTO-Vの登録患者について分析した結果、女性の30日時の死亡リスクは男性の2倍、7日時の出血リスクは1.31倍と有意に高いことが示された。米国New York大学のHarmony R. Reynolds氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌2007年10月22日号に報告された。

 20カ国820病院で行われたGlobal Use of Strategies to Open Occluded Coronary Arteries (GUSTO)-V試験は、ST上昇心筋梗塞の患者を無作為に、レテプラーゼ(組み換え型プラスミノーゲン活性化因子)単剤、または、アブシキシマブ(糖蛋白 IIb/IIIa 受容体阻害薬)/レテプラーゼ併用の2群に割り付け、効果の比較を試みたもの。レテプラーゼ単剤群には30分間隔で10-Uのボーラス投与を2回行い、併用群には標準用量のアブシキシマブ(0.25mg/kgのボーラス投与と0.125mμg/kg/分の12時間注入)と2分の1用量のレテプラーゼ(30分間隔で5-Uのボーラス投与を2回)を適用した。

 今回、著者らは、30日時の全死因死亡を主要エンドポイントとして分析した。加えて再梗塞、出血、脳卒中、頭蓋内出血、心筋梗塞の合併症等についても評価した。死亡と出血の評価には多変量ロジスティック回帰分析を適用。交絡因子候補として、年齢、性別、人種、体重、BMI、脈拍、血圧、梗塞部位、心筋梗塞の既往、冠動脈バイパス術歴、ヘパリンの用量、高血圧、糖尿病、割り付け群、症状発現から割り付けられた薬剤の投与開始までに要した時間、Killip分類のクラス、施設が米国内か米国外か、といった要因で調整した。

 対象となった男性患者に比べ女性患者は、高齢で、身長が低く、糖尿病、高血圧、高脂血症の頻度が高かった。現在の喫煙者は女性の方が少なかった。今回が初めての心血管イベントだった患者の割合も女性で高かった。退院時のアスピリン処方、β遮断薬処方は女性で有意に少なかった。男性に比べ適用頻度が低かったのは、血管造影(37.8%と42.3%、P<0.001)と経皮的冠インターベンション(PCI、23.9%と27.6%、P<0.001)。血管造影が行われた患者に占めるPCI適用者の割合には男女差はなかった。また男女ともに、割り付けられた治療と死亡率の間には有意な関係は認められなかった。

 

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