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BMJ誌から
足関節骨折のギプス固定と着脱可能ブレースに差はない
英国の骨折患者を対象にしたRCTで16週後の機能評価スコアに有意差なし

 英国Warwick大学のRebecca Kearney氏らは、成人の足関節骨折患者をギプス固定または着脱可能ブレースに割り付けて16週後のアウトカムを検討するランダム化比較試験を行い、両群のOlerud Molander ankle scoreなどの成績に有意差はなかったと報告した。結果は2021年7月6日のBMJ誌電子版に掲載された。

 近年の英国では足関節骨折患者が増加しており、その理由の1つは活動的な高齢者が増えたためだと考えられ、2030年には足関節骨折患者は約3倍に増えると予想されている。通常は骨が治癒するまで石膏包帯ギプスで数週間固定するが、関節拘縮と筋力低下が生じる可能性がある。ギプスの代わりに着脱可能ブレースを用いれば、早期からの関節運動が可能になり、回復が早まることが期待される。しかし、この仮説を支持する質の高いエビデンスはなかった。そこで著者らは、成人の足関節骨折患者を、着脱可能ブレースと通常のギプス固定にランダムに割り付け、足関節の機能やQOL、合併症に対する影響を調べる臨床試験を計画した。

 参加者は、2017年10月9日から2019年9月30日までに、外傷ユニットがある20カ所のNational Health Service病院で募集した。対象は18歳以上の、急性非開放性足関節骨折患者で、最初に手術が必要かどうかにかかわらず、数週間以上のギプス固定を要すると判断された人。医師が固定する必要はないと判断した患者、癌の転移による骨折の患者、ピロン骨折など複雑な関節内骨折の患者、ブレースの禁忌に該当する患者、以前にも足関節を骨折したことがある患者、骨折前から別の関節疾患がある患者などは除外した。

 条件を満たした患者は、1対1の割合でギプス固定群と着脱可能ブレース群に割り付けて、最短でも3週間装着してもらった。割り付け時には、手術の有無と年齢(49歳以下と50歳以上)を層別化した。ブレース群には、1日に3回ブレースを外して、痛みがなければ体重を掛けずに関節の可動域を動かす運動をするように推奨した。ブレースのブランドは各病院に任せた。

 主要評価項目は、16週時点のOlerud Molander足関節スコアとした。これは9項目(疼痛、硬直、腫脹、階段登り、ランニング、ジャンプ、スクワット、体の支持、日常生活における労働または運動)からなる質問票で、スコアは完全に障害されている0点から、障害がまったくない100点までの幅で採点する。副次評価項目は、合併症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、疼痛、腫脹、しびれ、創傷感染など)、EQ-5D-5L質問票による健康関連QOL、Manchester-Oxford Foot Questionnaire(MOXFQ)による足機能スコアなどとした。それぞれの指標は6週、10週、16週時点でスコア評価したが、Manchester-Oxford Foot Questionnaireは16週時点のみとした。

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