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BMJ誌から
予期せぬ体重減少が癌につながるのは誰か?
癌検診が推奨される患者を選び出すデータの組み合わせを見つける

 プライマリケアを受診する成人のおおよそ1.5%に予期せぬ体重減少が記録されている。そうした人が6カ月以内に癌と診断されるリスクは高くないが、中には癌検診を勧めた方がよい患者も含まれている。英国Oxford大学のBrian D Nicholson氏らは、どのような特性や症状を有する患者に癌検診を勧めるべきかを検討し、BMJ誌電子版に2020年8月13日に報告した。

 予期せぬ体重減少を経験した男性が、3カ月以内に癌と診断される可能性は、体重減少がない人々の約3倍、6カ月以内に診断される可能性は約2倍で、予期せぬ体重減少を経験した女性が3カ月以内に癌と診断されるリスクは、体重減少がなかった人の約2倍であることが報告されている。

 早期の癌も、末期癌も、予期せぬ体重減少をもたらす。体重減少リスクが最も高いのは、リンパ腫、原発不明癌、膵臓癌、胃・食道癌、肺癌、大腸癌、尿管癌だ。しかし、多くの良性疾患や、ライフスタイルの変化や社会経済状況の変化によっても、予期せぬ体重減少は発生する。また、予期せぬ体重減少を経験した患者の最大で25%については、追跡してもこれを説明できる診断は行われなかったとする報告がある。ゆえに、体重減少のみを理由に、侵襲的な癌検診を患者に勧めることはできず、プライマリケア医が利用できる情報に基づいて、癌リスクを推定する方法が必要だ。

 英国国立医療技術評価機構(NICE)のガイダンスは、癌が疑われる患者については、癌の陽性予測値が3%を超えた場合に、検査の実施を推奨している。

 著者らは、イングランドの一般開業医が登録した電子医療記録を集めたデータベースClinical Practice Research Datalink(CPRD)とNational Cancer Registration and Analysis Service(NCRAS)を関連づけて、プライマリケアで日常的に収集される情報(年齢、性別、喫煙歴、臨床症状、血液検査の結果など)を用いて、予期せぬ体重減少を経験した患者の癌を予測する能力を検討することにした。

 対象は、2000年1月1日から2012年12月31日までの期間に、予期せぬ体重減少(6カ月間に5%以上の体重減少)を経験しており、体重減少が記録される1年以上前からの医療記録が残っていた18歳以上の患者。減量のための治療薬(オルリスタット)を使用した患者、減量手術を受けた患者、既に癌と診断されていた患者などは除外した。

 最初に体重減少が記録された日をindex dateとし、それから6カ月以内の癌の診断を主要評価項目に設定した。index dateの3カ月前から1カ月後までの患者情報との関係を検討した。癌の予測における能力の指標としては、陽性尤度比と陰性尤度比、陽性予測値、診断のオッズ比を用いた。

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