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BMJ誌から
早期乳癌の術中単回放射線照射は有望
標準治療の術後外部放射線照射と比較したRCT

 英国University College LondonのJayant S Vaidya氏らは、乳房温存療法を受ける早期乳癌患者への術中の単回放射線照射が、術後の外部放射線照射の代替として有用かどうかを検討するために、オープンラベルのランダム化フェーズ3試験TARGET-Aを行い、術中単回照射の5年局所再発率は外部放射線照射に対し非劣性で、中央値8.6年の追跡で死亡率も劣らなかったと報告した。結果はBMJ誌電子版に2020年8月19日に掲載された。

 著者らが開発したTARGIT-IORTは、乳癌の腫瘍部分のみをくりぬくランペクトミーが適切と考えられる患者を対象に、腫瘍切除部分に小さな球形の器具を挿入して腫瘍床に直接放射線照射を行う方法で、照射後に皮膚を縫合して手術を終了する。皮膚や乳房周辺組織を放射線から保護する方法として考案された。TARGET-A試験は従来の標準治療である、ランペクトミー術後の外部放射線照射(EBRT)と比べても成績が劣らないことを立証しようとする臨床試験だ。

 試験には、英国、オーストラリア、米国、カナダと欧州の10カ国の32施設が参加した。組み入れ対象は、45歳以上の女性の乳癌患者で、針生検で組織診断された直径3.5cmまでの浸潤性乳管癌で、cN0-N1であり、転移がなく、乳房温存療法に適した場合とした。条件を満たした患者は、術前にTARGIT-IORTまたはEBRTに1対1の割合でランダムに割り付けた。なお、TARGIT-IORT群の患者で、術後の最終病理報告で術前に予期していなかった腫瘍の広がりなどが見つかった場合は、EBRTを追加することにした。EBRT群には3~6週間にわたって標準的な放射線療法を受けてもらった。

 患者の同意を書面で得る際に、術後の臨床評価は最初の5年間は6カ月ごとに、それ以後は年1回の割合で、少なくとも10年間追跡する予定であることを了承してもらった。

 主要評価項目は、5年局所再発率と長期的な生存アウトカムとした。非劣性のマージンは、絶対差の90%信頼区間の上限が2.5%以下とした。

 2000年3月24日から2012年6月25日までに2298人が試験に参加し、1140人をTARGIT-IORT群に、1158人をEBRT群に割り付けた。割り付け通りの治療を受けた患者は、TARGIT-IORT群が1027人(90%)、EBRT群が1065人(92%)だった。TARGIT-IORT群の786人(69%)は術中の単回照射のみだったが、241人(21%)は、最終病理報告に基づいてEBRTを追加実施した。なお、割り付けとは反対の治療を受けていた患者が、TARGIT-IORT群65人(5.7%)とEBRT群22人(1.9%)いた。

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