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BMJ誌から
腹壁ヘルニアのロボット支援手術は有益か?
腹腔鏡手術とのRCTで手術時間が長くコストも高いが成績に差はない

 米国Texas大学McGovern Medical SchoolのOscar A Olavarria氏らは、ロボット支援手術と腹腔鏡手術による腹壁ヘルニアの手術成績を検証するランダム化比較試験(RCT)を行い、術後90日以内の入院日数など主な臨床アウトカムに差はなかったが、ロボット支援手術は手術に要する時間が長く、コストも高かったと報告した。結果はBMJ誌電子版に2020年7月14日に掲載された。

 Americas Hernia Society Quality Collaborativeが2017年に公表した後ろ向き研究は、ロボット支援下または腹腔鏡下でintraperitoneal onlay mesh(IPOM)留置を受けた患者の成績を比較していた。この研究では、術後の入院期間はロボット支援下の方が有意に短く(0日と1日、P<0.001)、その他の臨床アウトカムと安全性に差は見られなかった。そこで著者らはRCTを実施して、このデータを検証することにした。

 2018年4月から2019年2月までに、テキサス州ヒューストンのヘルニアクリニックを受診した患者の中から、待機的に最低侵襲の腹壁ヘルニア修復術を受けるべき患者を試験参加候補者とした。条件は、同意が得られた18歳以上のヘルニア患者で、診察で腹壁欠損部分が12cm未満と判断され、COPDやうっ血性心不全がなく気腹術に耐えられ、開腹手術や腸閉塞の病歴がなく、感染症を起こしていない患者とした。

 条件を満たした連続する患者をランダムに、ロボット支援手術(RVHR)と腹腔鏡手術(LVHR)に割り付けた。割り付けの結果は、手術の当日に研究助手が開封して担当する外科医に伝えた。外科医はあらかじめ設けた習熟期間に、最低でも50例の手術経験を積み、術式への慣れによる差が出ないようにした。患者には術後1カ月の時点で来院してもらい、手術を担当した外科医とは別の医師が評価を行った。

 主要評価項目は、術後90日以内の入院日数(再入院も含む)に設定した。副次評価項目は、手術時間、手術部位感染、創合併症、ヘルニアの再発、再手術、合併症のグレード、救急受診、腹壁QOLの変化、疼痛スケールの変化、医療費の総額などに設定した。

 175人の腹壁ヘルニア患者をスクリーニングして、条件を満たした連続する124人がランダム割り付けに参加し、65人がRVHR群に、59人がLVHR群に割り付けられた。参加者の平均年齢は49.1歳、77%がヒスパニック系、女性が69%、BMIの平均は32.1だった。両群の患者特性は同様だったが、ヘルニアを再発した患者の割合はRVHR群の12%に対して、LVHR群は25%だった。

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