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BMJ誌から
オゾン濃度が高い日には超過死亡が発生する
20カ国406都市の観測データから超過死亡率を推定

 英国London大学衛生熱帯医学大学院のAna M Vicedo-Cabrera氏らは、20カ国406都市の観測データを用いて、地上レベルでのオゾン濃度と住民の短期的な死亡リスクについて検討し、より厳しい大気汚染の環境基準をクリアすることで超過死亡を減らせることが示唆されたと報告した。結果はBMJ誌電子版に2020年2月10日に掲載された。

 オゾンは極めて反応性が高く、強い酸化力を持つ。地面に近い大気中のオゾンは、ほとんどが人為的な放出によるものだ。数多くの疫学研究が、オゾンへの曝露は健康に有害であること、短期的な死亡率を高めることが報告されている。オゾン濃度は、地球の温暖化とともに上昇すると予想されており、健康への影響が懸念されている。現在世界各国で用いられている基準値のばらつきは大きく、WHOの基準よりもはるかに高い値に設定している国が多い。

 著者らは、Multi-City Multi-Country Collaboration Research Networkのデータベースから情報を得て分析を行った。このデータベースは、都市ごとの1日当たりの死亡者数と環境数値(気温、湿度、オゾン、PM10、PM2.5、窒素酸化物)を記録している。今回は1985年1月1日から2015年12月31日までの期間に、3年以上に渡る連続するデータが得られた、日本を含む20カ国406都市の毎日の総死亡者数とオゾン濃度を収集し、分析に用いた。まず準ポアソン回帰による一般化線形モデルを用いて、各都市の時系列分析を行い、第2段階として各都市ごとの推定値をプールしたメタアナリシスを行った。

 安全なオゾン濃度の閾値に関するエビデンスはないが、人為的な活動によるオゾン発生がほとんどなく、自然界に由来するオゾンのみと考えられる70μg/m3を超えない日は、オゾンに関連する死亡は発生しないと仮定して超過死亡リスクの推定を行った。なお、WHOの環境基準は100μg/m3、EUの基準は120μg/m3である。

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