
フランスのプライマリケアを担当するgeneral practitioner(GP)に製薬会社が送った品物の金額を調べ、その医師の処方パターンとの関係を検討したフランスRennes大学のBruno Goupil氏らは、ギフトを全く受けとっていない医師と比べると、より高額のギフトを得ていた医師では、1回の診察で処方する薬の価格が高く、ジェネリック製品の使用割合が低く、有害事象のリスクが高めの薬の処方頻度が高かったと報告した。結果はBMJ誌電子版に2019年11月6日に掲載された。
医療従事者は、製薬会社などが展開する販売促進活動の影響を受けやすい。販売促進の対象になった医師では、処方パターンが変化し、結果として、最適な薬剤以外の処方や、より高価な薬剤の処方が増えるなどして、治療の質が低下することを示すデータが報告されている。ゆえに一部の国には、製薬会社と医師の関係を制限する法律が存在する。フランスでも2011年に法律ができ、2013年からは製薬会社や医療機器メーカーが医療従事者に10ユーロ以上の贈り物をする場合は、情報公開することが義務づけられた。
そこで著者らは、情報公開用のデータベースTransparency in Healthcareと、医療保険請求データベース