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BMJ誌から
2型糖尿病は本当に発癌リスクを高めるか
種々の癌との関連を調べたメタアナリシスの質に疑問符

 これまでに行われた様々な研究やメタアナリシスの多くが、2型糖尿病と特定部位ののリスクとの間に有意な関係があると報告している。しかし、既存のメタアナリシスを対象に実施されたアンブレラ・レビューからは、良質なメタアナリシスは少ないことが示唆された。2型糖尿病と罹患リスクの関連を裏付ける質の高いエビデンスがある癌種は、乳癌肝内胆管癌大腸癌子宮体癌のみだという。ギリシアIoannina大学のKonstantinos K Tsilidis氏らが、BMJ誌電子版で2015年1月2日に報告した。

 糖尿病が様々な癌のリスクを上昇させるとの報告は数多い。しかし、これら2疾患の間に因果関係があるのか、それともこれらの疾患が危険因子を共有しているのかは明らかではなかった。一方で、研究に関連する様々なバイアスによって、糖尿病と癌の間に有意な関係があるように見えている可能性も残されていた。

 著者らは、糖尿病と部位別の癌罹患および癌死亡の関係について検討した観察研究を対象とするメタアナリシスについて、情報の妥当性を検証。質の高い研究に由来する確かなエビデンスを同定する目的で、アンブレラ・レビュー(メタアナリシスを対象とするレビュー)を実施した。

 対象は、PubMed、Embase、コクラン・システマティック・レビュー・データベースなどに2013年末までに登録された、疫学的観察研究を対象とするメタアナリシスのうち、2型糖尿病と癌罹患もしくは癌死亡の関係について検討していた27件(比較研究を含む)の研究。それらは、2型糖尿病と、部位別の20種類の癌(膀胱癌、乳癌、肝内胆管癌、肝外胆管癌、大腸癌、子宮体癌、食道癌胆嚢癌胃癌肝細胞癌腎癌白血病肺癌多発性骨髄腫非ホジキンリンパ腫卵巣癌膵癌前立腺癌甲状腺癌、あらゆる癌)の罹患および7種類の癌(乳癌、大腸癌、子宮体癌、胃癌、肝細胞癌、腎癌、あらゆる癌)による死亡との関係について評価したものだ。

 27件すべてが、糖尿病では無い人々に比べ糖尿病患者では、癌リスクが上昇、または上昇傾向にあると報告していた。ランダム効果モデルを用いた分析では、27件中20件(74%)のメタアナリシスが、糖尿病と癌との間に有意な関係が存在することを示した。同様に、固定効果モデルを用いた分析では25件(93%)が有意な関係を示していた。

 しかし、27件中24件(89%)では、対象とした観察研究の間に不均一性が見られた。I2乗値(I2)が75%超と、大きな不均一性を示した研究が16件もあった。また5件に過剰な有意性バイアス(バイアスにより実際よりも強い関係を示してしまう状態)が認められた。

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