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BMJ誌から
糖尿病患者への降圧薬はACE阻害薬が最良
追加するならCa拮抗薬が好ましい、ネットワークメタ解析の結果

 糖尿病患者に対する降圧薬レジメンの有効性を、全死因死亡、末期腎不全発症、血清クレアチニン値倍加の3つの転帰から評価したところ、ACE阻害薬が最良で、もう1剤追加するならCa拮抗薬が好ましいことが、ランダム化比較試験(RCT)を対象とするネットワークメタ解析の結果として示された。台湾の亜東記念医院のHon-Yen Wu氏らが、BMJ誌電子版に2013年10月24日に報告した。

 研究者たちは、糖尿病患者に異なるクラスの降圧薬の単剤または併用投与が、生存と腎機能に及ぼす影響を評価する目的で、RCTのネットワークメタ解析を行った。対象としたRCTは、Medline、PubMed、Scopus、コクランライブラリに1970~2011年12月15日に登録された研究の中から選出した。

 糖尿病患者(1型も含む)を対象に、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)、β遮断薬α遮断薬Ca拮抗薬利尿薬を単剤または併用する介入群と、プラセボもしくは他の降圧薬に割り付けた対照群を12カ月以上追跡し、全死因死亡、末期腎不全(透析が必要または腎移植が必要)、血清クレアチニン値倍加――のいずれか一つ以上を報告していた研究を選んだ。

 データを抽出し、ベイジアンネットワークメタ解析を行い、個々のレジメンの直接比較と間接比較を行った。さらに3転帰のリスク低減効果の大きさに基づいて、比較したレジメンのそれぞれが全体の中で最も有効な治療である確率、2番目に有効な治療である確率、3番目に有効な治療である確率などを推計した。

 3万6917人を登録した63件の研究が条件を満たした。これらは、プラセボを含む11の異なる降圧レジメンについて評価していた。追跡期間中の全死因死亡は、62件に登録された3万6810人中2400人に発生、末期腎不全は19件の試験に登録された2万5813人のうち766人に発生、血清クレアチニン値の倍加は13件に登録された2万5055人中1099人に認められた。

 全死因死亡に関する情報が報告されていた患者のうち、ACE阻害薬に割り付けられていたのは5176人(14.1%)、ARBは7162人(19.5%)、β遮断薬が71人(0.2%)、Ca拮抗薬は1729人(4.7%)、利尿薬は319人(0.9%)、ACE阻害薬+Ca拮抗薬は640人(1.7%)、ACE阻害薬+利尿薬は5762人(15.7%)、ARB+Ca拮抗薬は46人(0.1%)、ARB+利尿薬は56人(0.2%)、ACE阻害薬+ARBは26人(0.1%)で、プラセボに割り付けられた患者は1万5823人(43.0%)だった。

 対照群と比較して死亡リスクへの影響が有意だったのはβ遮断薬のみ(オッズ比7.13、95%信頼区間1.37-41.39)だった。β遮断薬と比較した場合に全死因死亡リスクが最も小さかったのはACE阻害薬+Ca拮抗薬の組み合わせ(オッズ比0.067、0.008-0.559)だった。続いてACE阻害薬+利尿薬(0.121、0.020-0.658)、ACE阻害薬(0.137、0.023-0.711)、プラセボ(0.141、0.024-0.732)、Ca拮抗薬(0.145、0.025-728)、ARB(0.153、0.025-0.793)となった。

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