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BMJ誌から
ビスホスホネートは消化器癌リスクの上昇と関係なし
英国でのネステッドケースコントロール研究の結果

 骨粗鬆症の治療と予防を目的に広く処方されているビスホスホネート製剤の使用は、消化器癌リスクの上昇・低下のいずれにも有意な影響を及ぼさないことが、英Nottingham大学のYana Vinogradova氏らが行った住民ベースのケースコントロール研究で明らかになった。論文は、2013年1月16日付のBMJ誌電子版に掲載された。

 ビスホスホネートは、前臨床研究では抗癌活性があることを示すデータが得られているが、一方で、消化管の粘膜を刺激するなどの有害作用によって癌リスクを高める可能性も懸念されている。これまでに欧米で行われた、ビスホスホネートの使用と食道癌胃癌大腸癌のリスクの関係を調べた研究では、相反する結果が得られていた。

 例えば、米食品医薬品局(FDA)の有害事象報告システムには、1995~2008年に、アレンドロネート服用中の食道癌罹患が23例報告され、ビスホスホネートが癌リスクを上昇させるという仮説を支持したが、ある観察研究のデータは食道癌リスクの低下を示唆した。

 英国の一般開業医研究データベース(GPRD)に登録された情報を利用したネステッドケースコントロール研究では、ビスホスホネート使用者の食道癌リスクは1.3倍、胃癌と大腸癌のリスクには有意な影響なし、との結果が出ている。しかし、同じGPRDの情報を利用したコホート研究では、食道癌のリスクへの影響は胃癌と共に見られなかった。

 デンマークで行われたコホート研究は、アレンドロネート使用者では食道癌リスクが上昇、高用量使用群では大腸癌リスクが低下する可能性を示した。だが、同じデンマークで行われた別のコホート研究は、アレンドロネート使用群で胃癌のリスクは低下、食道癌リスクには有意な影響なしと報告している。

 こうした研究結果を受けて著者らは、英国民を対象に大規模で質の高い研究を行い、ビスホスホネートの使用と消化器癌の関係を明らかにしようと考えた。英国の660カ所の一般開業医のクリニックがQResearchプライマリケアデータベースに登録した情報と、643カ所のクリニックがClinical Practice Research Datalink(CPRD、先のGPRDと同じデータベース)に登録した情報を用いて、ネステッドケースコントロール研究を実施した。 

 1997年1月から2011年7月までにこれらのデータベースに登録された50歳以上の患者の中から、原発性の消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌)と診断された人々を抽出。さらに、それらの患者と年齢、性別、受診クリニック、データベース登録年度がマッチするコントロールを患者1人当たり5人まで選出した。ビスホスホネートの処方記録を調べて、癌診断の6カ月前までに1回以上の処方があった患者を使用者とした。

 主要転帰評価指標は大腸癌、食道癌、胃癌とビスホスホネートの使用の関係とし、癌危険因子などで調整してオッズ比を求めた。

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