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BMJ誌から
一般的な健康診断に死亡率低減効果はない
14件の無作為化試験をメタ分析

 一般成人を対象とした健康診断に、全死因死亡、心血管死亡、癌死亡を減らす効果は見られない――。そんなメタ分析の結果が、ノルウェー・コクランセンターのLasse T Krogsboll氏らによって2012年11月20日付のBMJ誌電子版に報告された。

 世界の複数の国で健康診断が行われているが、その利益は明らかではない。著者らは、健診の利益を示すエビデンスはないこと、医学的な介入は全て有害になる可能性を有すること、健診もまた過剰診断、過剰治療や、偽陽性結果に起因する不安などをもたらす危険性があることから、一般健康診断の利益と害を評価した無作為化試験を対象に、系統的レビューとメタ分析を行うことにした。

 Medline、EMBASE、Healthstar、コクランライブラリ、コクランセントラル、CINAHL、EPOC Specialised Register、Clinical Trials.gov、WHO ICTRPなどから、18歳以上の一般人を対象とする無作為化試験で、健診あり群と健診なし群のその後の転帰を比較していた研究を選び、各論文の引用文献なども調べた。健診は、一般人を対象に、複数の疾患の発見、または複数の臓器系の危険因子の評価を目的に行われるものと定義した。65歳超の高齢者のみを登録した臨床試験は除外した。

 主要評価指標は、代替エンドポイントではなく、全死因死亡率と死因特異的死亡率に設定。2次評価指標として、心筋梗塞などの有病率、あらゆる疾患または特定の疾患の新規診断件数、入院件数、障害発生件数、患者の不安、自己申告による健康状態、欠勤などへの健診の影響も調べた。死亡率についてはランダムエフェクトモデルを用いてメタ分析した。その他の転帰についてはメタ分析が行えなかったため、質的な統合を行って両群を比較した。

 16件の試験が条件を満たした。うち2件については結果が一度も公表されていなかったため、それらを除いた14件を分析対象にした。それらは、18万2880人を登録しており、うち7万6403人が「健診あり」、10万6477人が「健診なし」に割り付けられていた。追跡期間は1~22年だった。

 9件が全死因死亡率について報告しており、それらに登録されていた15万5899人をメタ分析の対象にした。中央値9年の追跡期間中に1万1940人が死亡しており、健診なし群と比較した健診あり群の死亡のリスク比は0.99(95%信頼区間0.95-1.03)になった。不均一性は認められなかった(I2=0%)。

 心血管死亡に関するデータを提供していたのは8件。中央値10.4年の追跡で15万2435人中4567人が死亡しており、健診あり群のリスク比は1.03(0.91-1.17)になった。不均一性は大きかった(I2=64%)が、転帰評価指標の定義が研究間で異なっていたことが原因である可能性が考えられた。

 癌死亡について報告していたのは8件。中央値10.4年の追跡で13万9290人中3663人が死亡しており、健診あり群のリスク比は1.01(0.92-1.12)だった。中等度の不均一性が認められた(I2=33%)。

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