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BMJ誌から
脳卒中2次予防における新規抗凝固薬の有効性・安全性はほぼ同様
各薬剤のフェーズ3試験データを利用して間接比較

 直接トロンビン阻害薬のダビガトラン、第Xa因子阻害薬のアピキサバンリバーロキサバンという3つの新規抗凝固薬の、脳卒中2次予防における有効性と安全性を間接比較した研究結果が、2012年11月5日付のBMJ誌電子版に掲載された。著者のデンマークAalborg大学のLars Hvilsted Rasmussen氏らは、脳卒中2次予防における3剤の有効性と安全性はほぼ同様であることを報告した。1次予防に用いた場合の有効性と出血に対する影響は部分的に異なっていた。

 心房細動患者において、新規抗凝固薬3剤のそれぞれとワルファリンを比較したフェーズ3試験では、脳卒中と全身性塞栓症の予防における、ワルファリンに対する非劣性が示されている。加えて、ダビガトラン150mg1日2回とアピキサバンの脳卒中、全身性塞栓症予防効果は、ワルファリンに優ることも示されている。

 一方、安全性については、ワルファリンと比較した大出血リスクが、ダビガトラン110mg1日2回では20%、アピキサバンでは31%低いと報告されている。

 これらの結果に基づき、現在多くの国で、心房細動患者の脳卒中予防にリバーロキサバンとダビガトラン(150mgまたは110mgを1日2回)が用いられている。アピキサバンについては現在、複数の国で承認申請に対する審査が進行中だ。

 では、これらの新たな抗凝固薬の中で、どの薬剤が最善なのか。3剤間の直接比較は行われていないため、著者らは既に一度間接比較を試みている。しかし、各試験に登録されていた患者集団の不均質性が大きかった。そこで今回は、より均質な患者集団を登録していると考えられる2次予防試験(脳卒中歴のある患者を登録)に焦点を絞って、これら3剤の有効性と安全性を間接比較することにした。

 Medlineとコクランセントラルに2012年6月までに登録された研究や、臨床試験登録、学会の抄録、監督機関のウェブサイトに掲載されていた研究の中から、心房細動患者を登録し、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバンのいずれかとワルファリンに割り付け、脳卒中2次予防効果を比較した無作為化フェーズ3試験を探した。条件を満たしたのは、RE-LY試験、ROCKET-AF試験、ARISTOTLE試験の2次予防サブグループを対象とする分析だった。

 2次予防サブグループは、RE-LY試験に登録された患者のうち3623人(平均年齢は70.5歳、女性が37%)、ROCKET-AF試験の7468人(71歳、39%)、ARISTOTLE試験の3436人(70.1歳、37%)で、各患者群の脳卒中リスクを示すCHADS2スコアは、RECKET-AF群では中央値4、ARISTOTLE群では平均3.7、RE-LY群についてはスコア3~6の患者が90%で、いずれも同様の範囲にあった。

 Bucherの方法で間接比較を実施した。

 脳卒中歴がある心房細動患者において、アピキサバンとダビガトラン(110mgまたは150mgを1日2回)を比較して差が有意になったのは、ダビガトラン150mg1日2回群と比較したアピキサバン群の心筋梗塞リスク(ハザード比0.39、95%信頼区間0.16-0.95)のみだった。脳卒中または全身性塞栓症、大出血などのリスクに差はなかった。

 アピキサバンとリバーロキサバンを比較した場合には、有効性、安全性ともに有意差はなかった。

 ダビガトラン150mg1日2回とリバーロキサバンの比較でも、有効性、安全性にほぼ差はなかったが、頭蓋内、消化管など重要部位を除く「他の部位の出血」のみ、ダビガトラン150mgの方が発生率が高かった。

 一方、ダビガトラン110mg1日2回とリバーロキサバンを比較したところ、脳卒中/全身性塞栓症のリスクに差はなかったが、ダビガトラン110mg1日2回の方が出血性脳卒中(ハザード比0.15、0.03-0.66)、血管死亡(0.64、0.42-0.99)、大出血(0.68、0.47-0.99)、頭蓋内出血(0.27、0.10-0.73)は少なかった。

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