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BMJ誌から
腎結石はその後の腎イベントの危険因子
末期腎疾患発症リスクは結石歴のない人の2倍以上、カナダのコホート研究

 腎臓結石を経験した患者がその後に末期腎疾患ESRD)を発症するリスクは、結石歴のない人に比べて2倍以上になることが、カナダで行われた住民ベースのコホート研究で明らかになった。カナダAlberta大学のR Todd Alexander氏らが、BMJ誌電子版に2012年8月30日に報告した。

 これまで、原発性高シュウ酸尿症やシスチン尿症といったまれな病気の患者においては、腎臓結石が見つかった後にESRDを発症するケースがあることは知られていた。しかし、腎臓結石がESRDの原因と考えられる患者はESRD患者全体の0.2~3.2%で、腎臓結石がその後の腎疾患の危険因子となるかどうかは不明だった。

 著者らは、腎臓結石歴は、ESRDなどの有害な腎イベントのリスク上昇に関係すると仮定して、これを検証するためにコホート研究を実施した。

 カナダのアルバータ州に1997年4月から2009年3月に居住していた18歳以上の人々の中から、ESRD患者(推算糸球体濾過量〔eGFR〕が15mL/分/1.73m2未満、慢性透析患者、または腎臓移植を受けた患者)と、腎盂腎炎歴があった患者などを除外した308万9194人を分析対象に選んだ。それらのうち、外来で血清クレアチニン値の測定を受けていたのは195万4836人だった。ベースラインで腎臓結石歴を持っていた患者は除外しなかった。Alberta Kidney Disease Networkデータベースを利用して、追跡期間中の腎疾患罹患の有無を明らかにした。

 主要転帰評価指標は、ESRD罹患(慢性透析の開始または腎臓移植を受けた場合)、慢性腎臓病(CKD)のステージ3b-5(eGFRが45mL/分/1.73m2未満になった場合)、血清クレアチニン値のベースラインからの倍加の持続(進行性腎臓病の代替指標)に設定した。慢性腎疾患罹患と血清クレアチニン値の倍加に関する分析は、外来でクレアチニン値の測定を受けていた患者を対象に行った。

 追跡期間中に、2万3706人(0.8%)の患者に1個以上の腎臓結石が見つかった。

 11年(中央値)の追跡で、5333人(0.2%)がESRDを発症した。ステージ3b-5のCKDは4年(中央値)の追跡で6万8525人(4%)がを発症し、6581人(0.3%)で血清クレアチニン値の倍加が持続した。

 追跡期間中に腎臓結石が見つかることは、ESRDリスクの上昇に関係していた。年齢、性別、人種、併存疾患スコア、腎臓結石歴などで調整してハザード比を求めると、追跡期間中に腎臓結石が見つからなかった人々に比べ、結石が見つかった患者のESRD発症のハザード比は2.16(95%信頼区間1.79-2.62)になった。ベースラインの腎臓結石歴を調整から外しても、ハザード比は2.11(1.77-2.52)、ベースラインで腎臓結石歴があった患者を分析から外しても、2.06(1.67-2.55)となり、結果はほぼ同様だった。

 追跡期間中の結石発見が1個だった患者の調整ハザード比は2.11(1.69-2.63)、2個以上見つかった患者では2.31(1.66-3.21)で、結石の数とESRDリスクの間に有意な関係が見られた(傾向性のP<0.001)。

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