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BMJ誌から
高齢出産の子供は不慮の外傷が少なく、言語発達も良好
産科的なリスクの上昇とは対照的に…英国の観察研究

 出産時の母親の年齢が、生まれてきた子供の5歳までの健康と発達に及ぼす影響を調べた観察研究で、母親の年齢が上昇するにつれて、小児の不慮の外傷入院が減少し、言語発達社会的発達も良好になることが明らかになった。英London大学のAlastair G Sutcliffe氏らが、BMJ誌電子版に2012年8月21日に報告した。

 先進国では高齢出産が増加している。高齢出産は、早産、胎児奇形、胎児死亡や、母親の心血管代謝異常などのリスクを上昇させることが知られているが、出産時の母親の年齢が、出生後の小児の健康や発達に及ぼす影響は明らかではなかった。

 著者らは、無作為に選んだ英国の小児を登録したMillenniumコホート研究と、英国の貧しい地域の小児を無作為に登録したNational Evaluation of Sure Startスタディに、01~07年に登録された子供たちを分析の対象にした。内訳は、生後9カ月の小児3万1257人、3歳の小児2万4781人、5歳の2万2504人で、出産時の母親の年齢は13歳から57歳だった。

 主要転帰評価指標は、過去1年間の不慮の外傷と入院(9カ月、3歳、5歳の時点で評価)、推奨される予防接種を全て受けたかどうか(出生から9カ月まで、9カ月以降3歳まで)、BMIを指標とした過体重の有無(3歳時、5歳時に評価)、言語発達レベル(British Ability Scales; BASの呼称語彙サブスケールを指標とする。スコアは20~80ポイントで高スコアほど発育は良好。3歳時と5歳時に評価)、質問票を用いて親に回答を求めた社会性の発達レベル(Strengths and Difficulties Questionnaireの社会性における問題スコアを用いて評価。スコアは0~34で低スコアほど良好、3歳時と5歳時に評価)に設定。

 治療が必要な不慮の外傷と入院のリスクは、出産時の母親の年齢が上昇するにつれておおよそ直線的に低下した(3歳時の外傷経験のみ二次曲線になった)。例えば、9カ月時には、出産時20歳だった母親の子どもの9.5%が外傷経験を持っていたが、40歳で出産した母親の子どもではその割合は6.1%だった。3歳時点の調査では、過去1年間に不慮の外傷の経験を持っていた子どもは、それぞれ36.6%と28.6%、5歳時は29.1%と24.9%だった。

 入院も同様で、生後9カ月までに入院経験を持っていた子どもの割合は、20歳で出産した女性の子どもでは16.0%、40歳で母親になった女性の子どもは10.7%、3歳時点では27.1%と21.6%だった。5歳時点でも同様の傾向を示したが、差は有意にならなかった。

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