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BMJ誌から
シフトワーカーの心筋梗塞リスクは23%上昇
カナダの系統的レビューとメタ分析の結果

 交代制勤務に就いている人々(シフトワーカー)は、交代制で働いていない人々と比べて心筋梗塞リスクが1.23倍、冠動脈イベントリスクが1.24倍、虚血性脳卒中リスクが1.05倍に上昇していることが、カナダWestern大学のManav V Vyas氏らが行ったメタ分析で明らかになった。論文は、BMJ誌電子版に2012年7月26日に掲載された。

 交代制勤務には、輪番制や24時間交代制、待機制の不規則勤務など、通常の昼間の勤務以外の様々な勤務スケジュールが含まれる。交代制勤務はサーカディアンリズム(概日リズム)や睡眠、ワークライフバランスに悪影響を及えることが知られているが、血管疾患との関係は明らかではなかった。

 そこで著者らは、交代制勤務と主要な血管イベントの関係を調べた研究を対象にメタ分析を行った。

 Medlineやコクランセントラル、Science Citation Index Expandedなどの文献データベースに12年1月1日までに登録された研究の中から、交代制勤務に関係する血管イベント、血管死亡、全死因死亡などのリスク比を報告していた研究、または記載されているデータから著者らがリスク比を推定できる研究を選んだ。対照群は、交代制ではなく通常の昼間の勤務を行っている労働者、または一般集団のいずれも可とした。

 主要転帰は、心筋梗塞、虚血性脳卒中、あらゆる冠動脈イベント(心筋梗塞、冠動脈疾患死亡、冠動脈疾患による入院)に設定。2次評価指標を心不全、出血性脳卒中、全死因死亡、心血管死亡、脳血管死亡、冠動脈疾患死亡とした。データをプールし多変量調整してリスクを推定した。

 34件の研究(登録者の合計は201万1935人)が条件を満たした。前向きコホート研究が11件、後ろ向きコホート研究が13件、ケースコントロール研究が10件で、分析対象にしていた交代制勤務がイブニングシフト(夕方から深夜まで)だった研究が4件、昼間勤務以外または交代制スケジュールの定義なしが6件、混合勤務スケジュールが11件、ナイトシフト(深夜から朝まで)が9件、輪番制が10件で、7件が複数の交替制勤務スケジュールについて分析していた。常時昼間勤務者を参照群にした研究が30件で、一般集団を参照群にしていた研究は4件だった。

 研究の質をDowns & Blackスコアに基づいて評価したところ、スコアの中央値は60%でfairと判断された。

 心筋梗塞について報告していたのは10件、あらゆる冠動脈イベントに関する報告があったのは28件、虚血性脳卒中について報告していたのは2件の研究だった。ランダム効果モデルを用いてプール解析したところ、交代制勤務は心筋梗塞(リスク比1.23、95%信頼区間1.15-1.31、I2=0%)、虚血性脳卒中(1.05、1.01-1.39、I2=0%)、冠動脈イベント(1.24、1.10-1.39、I2=85%)のリスク上昇に関係していた。

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