サンベッド(日焼けマシン)使用とメラノーマなどの皮膚癌のリスクの関係を調べた系統的レビューとメタ分析で、サンベッド使用者では、非使用者に比べメラノーマのリスクが1.2倍になることが明らかになった。仏International Prevention Research InstituteのMathieu Boniol氏らが、BMJ誌電子版に2012年7月24日に報告した。
サンベッド使用とメラノーマの関係については、06年にIARC(国際癌研究機関)がメタ分析の結果を報告していたが、そこでは用量反応関係は評価できていなかった。また、その後も複数の疫学的研究の結果が報告されたことから、著者らは、新たに系統的レビューとメタ分析を行うことにした。
PubMed、ISI Web of Science、Embase、Pascal、コクランライブラリ、LILACS、MedCaribに12年5月までに登録されていたケースコントロール研究、コホート研究、横断的研究の中から、サンベッド使用歴と皮膚癌(メラノーマ、扁平上皮癌、基底細胞癌)リスクの関係を報告していたものを選んだ。
06年のメタ分析以降に報告された研究は8件あった。
サンベッド使用とメラノーマの関係を報告していたのは32件の研究で、3件はコホート研究、残りはケースコントロール研究だった。メタ分析に必要な情報が得られなかった4件と、オリジナルデータの再分析結果を報告していた1件を除き、27件の研究(1万1428例のメラノーマを報告)を分析した。27件のうち、最も古いものは81年、最も新しいものは12年に報告されていた。18件が欧州、7件が北米、2件がオーストラリアで行われていた。
サンベッドの使用歴がないメラノーマ患者に対する、使用歴ありのメラノーマ患者のサマリー相対リスクを求めたところ、1.20(95%信頼区間1.08-1.34)になった(不均一性はI2=56%)。有意な出版バイアスはみられなかった(P=0.99)。
コホートベースと住民ベースのケースコントロール研究18件に限定して分析すると、サマリー相対リスクは1.25(1.09-1.43)になった。18件の研究データを日光曝露と日光感受性に関係する交絡因子で調整して相対リスクを求めると、1.29(1.13-1.48)だった。
サンベッド使用開始年齢が35歳未満だった人々と、使用歴のない患者を比較していたのは13件の研究で、サマリー相対リスクは1.87(1.41-2.48)と高い値を示した。研究間に不均一性は見られなかった(I2=0%)。
次に、年間のサンベッド使用回数とメラノーマの関係を調べていた研究のデータを利用して用量反応関係を評価したところ、使用回数が1回増加当たりメラノーマの相対リスクは1.8%上昇(相対リスク1.018、0.998-1.038)することが明らかになった。
個々の研究で、最も使用レベルが高いカテゴリーに分類された患者を集めてメラノーマの相対リスクを求めたところ、1.42(1.15-1.74)になった。
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