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BMJ誌から
発熱のある小児の呼吸数から下気道感染を予測する方法
年齢と体温で層別化し各群の呼吸数の97パーセンタイルをカットオフ値に設定

 発熱のある小児呼吸数から下気道感染の存在を予測できる方法を、オランダErasmus MC-Sophia Children’s HospitalのR G Nijman氏らが作成し、BMJ誌電子版に2012年7月3日に報告した。

 発熱のある小児の呼吸数は、下気道感染の存在と強力に関係する。著者らは、前向き観察研究を行い、救急部門を訪れた発熱のある小児の年齢と体温を基に、呼吸数の参照値を知るための百分位数チャートを作成。さらに下気道感染の存在を予測できるカットオフ値を見い出した。

 オランダ・ロッテルダムのErasmus MC-Sophia小児病院の救急部門で、06~08年に患者登録を実施した。生後1カ月~16歳未満で発熱があり、直腸温と呼吸数が記録されていた患者を選出し、参照値を得るための導出コホートとした。検証コホートには、03~05年にErasmus MC-Sophia小児病院の救急部門を受診した患者(生後1カ月~16歳未満、直腸温が38度超で咳が見られる患者)と、英国Coventry病院で05~06年に登録した患者(生後1カ月~16歳未満、腋下温が38度超で下気道感染の症状が見られる患者)を組み入れた。

 導出コホートは1555人で、年齢は1.6歳、体温は37.8度、呼吸数は30回/分だった(いずれも中央値、以下同様)。検証コホートの合計は671人で、オランダで登録された311人の年齢は1.61歳、体温は39.1度、呼吸数は40回/分、英国で登録された360人の年齢は2.33歳、体温は38.1度、呼吸数は32回/分だった。

 主要転帰評価指標は、年齢、呼吸数、体温、下気道感染の存在とした。

 導出コホートの患者を年齢(1カ月以上12カ月未満、12カ月以上24カ月未満、24カ月以上5歳未満、5歳以上16歳未満)で層別化し、それぞれの年齢について体温でさらに層別化(36.0~36.9度、37.0~37.9度、38.0~38.9度、39.0~39.9度)。それぞれのグループについて呼吸数の50パーセンタイル、75パーセンタイル、90パーセンタイル、97パーセンタイルを求め、百分位数チャート(論文のTable 3参照)を作成した。

 多変量回帰分析を行って、呼吸数と年齢、体温の関係を調べた。呼吸数と年齢の間には有意な負の相関が見られた(r=-0.64)。また、呼吸数と体温の間には有意な正の相関が認められた(r=0.27)。呼吸数と体温の関係は12カ月未満の乳児ではそれ以外の年齢群の小児より弱かった。

 体温を組み入れたモデルを用いた場合、コホート全体では、体温1度上昇当たり呼吸数は2.5回/分(標準誤差は0.3)増加していた。年齢と体温を組み入れたモデルを用いた場合には、体温1度上昇当たりの呼吸数増加は2.2回/分(標準誤差は0.2)になった。

 検証コホートは、最終的な診断結果に基づいて、胸部X線検査により確認された肺炎、肺炎以外の下気道感染、下気道感染以外の疾患に分類した。

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