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BMJ誌から
葉酸でホモシステインを下げても腎疾患患者の心血管イベントは減らない
11件の無作為化試験をメタ分析

 腎疾患患者に葉酸を投与し、ホモシステイン値を下げても、心血管イベント予防効果は見られないことが、オーストラリアGeorge Institute for Global HealthのMeg J Jardine氏らが行った系統的レビューとメタ分析で明らかになった。論文は、BMJ誌電子版に2012年6月13日に掲載された。

 ホモシステイン高値は心血管イベントリスクの上昇と関係している。葉酸を投与するとホモシステイン値は下がるが、このことが心血管イベントに及ぼす影響についてはいまだ議論がある。

 一般集団を対象とする臨床試験では、葉酸を投与してホモシステイン値を下げる治療の心血管保護効果は見られていない。一方で、ホモシステイン尿症の患者では、ホモシステイン降下療法による心血管リスク低減が認められていた。両者の違いはホモシステイン値で、一般集団では高値といっても平均13μmol/L程度だが、ホモシステイン尿症患者では100~400μmol/Lという極めて高い値を示す。

 腎疾患の患者のホモシステイン値は一般集団より高いことから、ホモシステイン降下療法の利益が見られるのではないかと考えられるようになり、この仮説を検証するための無作為化試験がこれまでに複数行われている。

 著者らは、Medline、Embase、コクランライブラリ、ClinicalTrials.govに11年6月までに登録された無作為化試験の中から、腎疾患患者に葉酸を投与してホモシステイン値を下げる治療が心血管イベントに及ぼす影響を報告していたものを選んだ。

 ステージ3~4の慢性腎疾患患者、末期腎不全患者、または腎移植を受けて維持透析が不要になった患者を登録し、葉酸を投与するホモシステイン降下療法と偽薬または標準的な治療に割り付けて比較した研究と、高用量の葉酸または低用量の葉酸に割り付けて比較した研究で、100人-年以上の追跡を行っていた研究を選出した。

 主要評価指標は心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、心血管死亡)に設定。2次評価指標は、心血管イベントを構成する個々の要素、全死因死亡、透析アクセスの血栓症、腎置換療法の必要性、有害事象などに設定し、ランダム効果モデルを用いてメタ分析した。

 04~11年に報告されていた11件の研究が条件を満たした。試験の質は全体として高かった。登録患者の合計は1万951人(慢性腎疾患患者4389人、末期腎不全患者2452人、腎移植患者4110人)、平均年齢は研究ごとに48.5歳から72.2歳、追跡期間の中央値は38カ月だった。

 介入は主に葉酸の経口投与で、1日用量は2.5mgから40mgの間だった。

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