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BMJ誌から
妊娠37~41週の計画分娩は周産期死亡リスクが低い
医学的な必要性のない計画分娩の転帰を、自然な陣痛を待つ待機的管理と比較

 先進国において、医学的な必要から行われる誘発分娩ではなく、選択的に行われる計画分娩の転帰を、自然な陣痛の発来を待つ待機的管理と比較した研究結果が、BMJ誌2012年5月19日号に掲載された。著者の英Edinburg大学のSarah J Stock氏らは、出生から1カ月後までの周産期死亡のリスクは、計画分娩の方が有意に低いことを報告している。

 先進国では、誘発分娩が分娩全体の20%を超えている。妊娠を終了させることが母子に利益をもたらす場合、または妊娠週数が41週を超えた場合など、医学的見地から必要とみなされた妊婦には誘発分娩が指示され、これにより周産期死亡を減らすことができる。しかし、満期産に相当する37~41週で行われる、医学的必要性のない誘発分娩(計画分娩)が周産期死亡に与える影響を調べた質の高い研究はこれまでなかった。

 著者らは、計画分娩の利益とリスクを明らかにすることが妊娠管理のための意思決定において重要だが、周産期死亡のような発生率の低いイベントを評価指標として臨床試験を行うことは現実的ではないと考え、疫学的な分析を行うことにした。スコットランドの複数のデータベースから情報を抽出し、計画分娩を行った場合と、待機的に管理(自然な分娩まで、または妊娠週数が進んだ時点での誘発分娩もしくは帝王切開まで、妊娠を継続させる)した場合の新生児と母親の転帰を比較することにした。

 この住民ベースの後ろ向きコホート研究は、スコットランドの産科部門で1981~2007年に扱った、妊娠37週から41週の妊婦による単生児の分娩を分析対象にした。

 より現実的な計画分娩の利益を知るために、計画分娩群に対するコントロール(対照)は、待機的管理が行われ、計画分娩群の妊婦が誘発により分娩した妊娠週数よりも後に分娩した妊婦とした。例えば37週で計画分娩した介入群の妊婦の対照は、待機的管理により38週以降に分娩した女性を選出、という具合だ。

 主要転帰評価指標は、生後1カ月まで期間を延長した周産期死亡(先天異常による死亡を除く)、分娩方法、分娩後の出血、分娩期の肛門括約筋裂傷、新生児ユニットまたはスペシャルケアユニットへの入院などに設定。交絡因子候補として、分娩時の母親の年齢、経産回数、分娩年度、出生体重、貧困度などで調整してオッズ比を求めた。

 研究期間中の分娩は160万5601件で、単生児の分娩は158万5319件だった。このうち妊娠週数などの条件を満たしたのは127万1549人の妊婦で、うち93万8364人に待機的管理が、33万3185人に誘発分娩が適用されていた。誘発分娩のうち15万7049人は医学的に必要とされたもので、残りの17万6136人が今回の分析の対象になる計画分娩だった。

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