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BMJ誌から
禁煙治療のバレニクリン使用で、重症心血管有害事象の増加はなし
最新の系統的レビューとメタ分析の結果

 禁煙を目的とする喫煙者へのバレニクリンの投与中、ならびに中止から30日以内に、重症心血管有害事象リスクの上昇はみられないことが、米California大学San Francisco校のJudith J Prochaska氏らが行った系統的レビューとメタ分析で明らかになった。論文は、BMJ誌電子版に2012年5月4日に掲載された。

 近年行われた無作為化試験で、バレニクリンの使用が心血管リスクを上昇させる可能性が示唆されたことを受けて、米食品医薬品局(FDA)は、系統的レビューの実施を求めていた。

 先に行われたメタ分析では、バレニクリン群における有意なリスク上昇が示されたが、著者らはその分析方法には様々なバイアスが存在していると考えた。そこで、禁煙目的でバレニクリンを用いた全ての無作為化試験を対象に、質の高い系統的レビューとメタ分析を行うことにした。

 Medline、コクランライブラリ、臨床試験登録と、個々の論文の引用文献リストから、バレニクリンに関する最初の論文が発表された05年1月から11年9月までに報告されていた無作為化試験で、成人喫煙者をバレニクリンと対照群に割り付けて追跡し、有害事象を報告していたものを選んだ。

 治療中に発生した重症心血管有害事象の定義は、先のメタ分析と同様に、「バレニクリン使用中と中止後30日以内に発生した全ての虚血性または不整脈性の有害な心血管イベント(心筋梗塞、不安定狭心症、冠動脈血行再建術、冠動脈疾患、不整脈、一過性脳虚血発作、脳卒中、突然死または心血管関連死亡、うっ血性心不全)」とし、リスク差、相対リスク、Mantel-Haenszelオッズ比、Petoオッズ比という4通りの要約統計量を求めて比較した。

 22件の試験(9232人を登録)が条件を満たした。全てが二重盲検試験で、対照群には偽薬を用いていた。登録患者数の中央値は404人、治療期間の中央値は12週間で、重症心血管有害事象に関する追跡期間の中央値は16週だった。13件は、現在心血管疾患がある患者または心血管疾患歴を有する患者も登録していた。

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