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BMJ誌から
糖尿病網膜症の検診間隔、初回正常なら1年超でも安全な可能性
糖尿病歴10年以上、インスリン治療などのハイリスク者は従来通りの頻度で

 糖尿病網膜症の早期発見のためのスクリーニングで、初回の検査で正常だった患者については、スクリーニング間隔を現在の12カ月より長くしても安全である可能性が、英Wales大学病院のR L Thomas氏らが行った後ろ向き研究で示された。ただし著者らは、糖尿病歴が10年以上の患者やインスリン治療中の患者などには、これまで通りの実施が望ましいとの考えを示している。論文は、BMJ誌電子版に2012年2月22日に掲載された。

 糖尿病網膜症を早期に発見し適切に治療すれば、患者の失明リスクは下げられるため、先進国では定期的なスクリーニングが行われている。実際に、糖尿病患者数は世界的に増加しているものの、糖尿病網膜症の有病率と罹患率は低下しており、特に重症の糖尿病網膜症患者の減少は明らかであることが報告されている。これは、治療法の進歩のみならず、早期発見の増加がその原因と考えられる。

 著者らは、もし、網膜症の発見を遅らせることなくスクリーニング間隔を広げることができれば、その分のコストを、より失明リスクの高い患者に対する検査の頻度を上げることなどに使用でき、結果としてより多くの人々を失明から守ることができるではないかと考えた。そこで、実際に網膜症スクリーニングを受けていた2型糖尿病患者の情報を利用して、スクリーニング間隔を安全に延長できるかどうかを調べることにした。

 ウェールズで年1回行われている糖尿病網膜症スクリーニングで収集されたデータを分析し、2型糖尿病患者のうち、初回のスクリーニングで網膜症が見つからなかった人々について、その後の網膜症罹患を調べる4年間の後ろ向き研究を実施した。

 スクリーニング受診者の中から、30歳以上で2型糖尿病と診断され、05~09年にスクリーニングを受けており、初回スクリーニングでは糖尿病網膜症ではなかった5万7199人を選出した。

 スクリーニングでは、デジタル眼底カメラを使って患者の網膜画像を撮影し、読影施設に送って英国のスクリーニングプロトコルに基づく重症度判定(正常、非増殖網膜症、前増殖網膜症または増殖網膜症、糖尿病黄斑症に分類)を受けていた。著者らは、今回の分析のために、「前増殖網膜症または増殖網膜症(黄斑症合併の有無は問わない)」と「非増殖網膜症だが黄斑症あり」を、「さらなる検査または治療を受けるために病院の眼科に紹介すべき網膜症」と定義した。

 主要転帰評価指標は、初回のスクリーニングで正常判定を受けてから4年間の毎年の罹患率と累積罹患率に設定、「あらゆる糖尿病網膜症」と「紹介すべき糖尿病網膜症」について分析した。

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