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BMJ誌から
PPIを長期服用する閉経女性の股関節骨折リスクは3割上昇
喫煙歴があるとリスク上昇は50%超

 プロトンポンプ阻害薬PPI)を日常的に2年以上使用している閉経女性は、そうでない閉経女性に比べて股関節骨折のリスクが35%高いこと、喫煙女性の場合のリスク上昇は50%を超えることが、米国で行われた前向きコホート研究で明らかになった。米Massachusetts総合病院のHamed Khalili氏らが、BMJ誌電子版に2012年1月31日に報告した。

 米国では、PPIがOTC薬になった03年以降、使用者が急増している。PPIは、短期的に使用した場合の忍容性は高いが、カルシウム吸収を阻害する可能性や、破骨細胞の機能に影響を与える可能性があるため、長期にわたって服用すると骨折リスクが上昇するのではないかと考えられている。だが、これまでに行われたPPI使用と骨折の関係を調べた研究は、いずれも質が高くなかった。

 そこで著者らは、閉経女性を対象として、PPIの長期的な使用と股関節骨折の関係を調べる前向きコホート研究を実施した。加えて、過去に行われた研究の結果と今回得られたデータを合わせて系統的レビューとメタ分析も行った。

 大規模前向き研究Nurses’ Health Studyに登録され、2000年から08年6月1日まで、PPI(オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、エソメプラゾール、ラベプラゾール)使用に関する情報と骨折の危険因子に関するデータが隔年で得られていた、米国在住の閉経女性7万9899人を分析対象にした。骨折の危険因子として、ホルモン補充療法(HRT)歴、体重、身体活動量、喫煙歴、喫煙量、飲酒量、サイアザイド系利尿薬、ステロイド、ビスホスホネート、カルシウムサプリメントの使用、骨粗鬆症診断の有無などの情報を得た。さらに、食物摂取頻度質問票を用いた調査のデータを基に、食事からのカルシウムとビタミンDの摂取量を計算した。

 主要アウトカム評価指標は、股関節骨折に設定した。

 56万5786人の追跡で、股関節骨折は893件発生していた。

 PPIを常用していた女性は、2000年は6.7%だったが、08年には18.9%に上昇していた。PPI常用者は、非常用者に比べてBMIが高く、身体活動量が少なく、飲酒量が少なかった。さらに、骨粗鬆症の診断を受けたことがある人の割合、HRT、サイアザイド系利尿薬、ステロイド、ビスホスホネート使用者の割合が高かった。

 PPI常用者5341人のその後の股関節骨折の絶対リスクは、1000人-年当たり2.02。非常用者7万4558人では1.51だった。非常用者に比べ、PPIを2年以上常用した女性の骨折リスクは35%高かった(年齢調整ハザード比1.35、95%信頼区間1.13-1.62)。

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