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BMJ誌から
妊婦のω3脂肪酸摂取に乳児のアレルギー減少効果見られず
卵アレルギーは減少、オーストラリアの無作為化試験DOMInOの結果

 妊娠中の女性がn-3系(ω3)長鎖多価不飽和脂肪酸(n3-LCPUFA、以下n-3系脂肪酸)を摂取しても、生まれた子供のIgE関連アレルギー全般のリスクは低下しないことが、オーストラリアWomen’s and Children’s Health Research InstituteのD J Palmer氏らが行った無作為化試験で明らかになった。ただし、卵アレルギーの発症は有意に少なかった。論文は、BMJ誌電子版に2012年1月30日に掲載された。

 先進国では過去30年間にアレルギー疾患の罹患率が上昇し、いまや20%以上にまで増加している。急速な増加の主な原因は環境の変化と考えられており、食習慣もその1つだ。例えば脂肪酸であれば、n-3系脂肪酸よりn-6系の脂肪酸が好まれるようになった。

 妊婦がn-3系脂肪酸を多く摂取するとIgEを介するアレルギー疾患の発生が減る可能性が示唆されていた。そこで著者らは、遺伝的に子供がアレルギーになるリスクが高い妊婦にn-3系脂肪酸または偽薬を投与し、生後1年の時点で幼児のIgE関連の湿疹または食物アレルギーの罹患率を調べることにした。

 この無作為化試験DOMInOは、06年3月20日から08年5月8日まで、豪州アデレードで登録を実施した。母親自身、父親、兄弟のいずれかがアレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹)と診断されており、遺伝的にアレルギー疾患リスクが高い胎児(単生児)を妊娠している妊婦を登録。n-3系脂肪酸(368人)または偽薬(338人)に割り付け、妊娠21週から出産まで投与した。

 介入群には、魚油カプセル(n-3系脂肪酸の1日摂取量は900mg、うち800mgがドコサヘキサエン酸、100mgがエイコサペンタエン酸)を投与、対照群には植物油を含む偽薬を投与した。

 主要アウトカム評価指標は、1歳時点のIgE関連アレルギー疾患(アレルゲン感作が確認された湿疹または食物アレルギー)の診断に設定。皮膚プリックテストを行い、牛乳、鶏卵、小麦、マグロ、ピーナツ、草花粉、牧草(ペレニアルライグラス)、オリーブ花粉、カビ(Alternaria tenuis)、猫の毛、ヤケヒョウヒダニなどのアレルゲンの感作の有無を同定した。IgE関連食物アレルギーは摂取して60分以内に発疹その他の症状が現れ、皮膚プリックテストでアレルゲンが同定された場合とした。

 母体血液と臍帯血のn-3系脂肪酸値はいずれも介入群の方が有意に高かった。

 IgE関連アレルギー疾患の罹患率に有意な差はなかった。介入群が9%(368人中32人)、対照群が13%(338人中43人)で、未調整相対リスクは0.68(95%信頼区間0.43-1.05、P=0.08)、登録施設、経産回数、母親の病歴、性別で調整した相対リスクは0.70(0.45-1.09、P=0.12)と有意差を示さなかった。

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