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BMJ誌から
Ca拮抗薬とロサルタン服用中の高血圧患者は痛風リスクが低い
それ以外の降圧薬の服用者ではリスク上昇

 血清尿酸値を低下させるカルシウム(Ca)拮抗薬ロサルタンを服用している高血圧患者は痛風リスクが低いが、利尿薬β遮断薬ACE阻害薬、ロサルタン以外のアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の服用者は痛風リスクが高いことが、英国で行われたネステッドケースコントロール研究で示された。米Boston大学医学部のHyon K Choi氏らが、BMJ誌電子版に2012年1月12日に報告した。

 痛風と高血圧の両方に罹患している患者は少なくない。近年の分析では、米国の痛風患者の74%が高血圧であることが示されている。また、高血圧が痛風の独立した危険因子であることも明らかになっている。一方で、降圧薬の一部(Ca拮抗薬やロサルタン)は血清尿酸値を下げ、一部(β遮断薬)は尿酸値を上げることが知られている。だがこれまで、それらの薬剤が実際に高血圧患者の痛風罹患に関係しているかどうかを調べた研究はなかった。

 著者らは、降圧薬の使用と痛風リスクの関係を調べるために、ネステッドケースコントロール研究を行った。英国の一般開業医を受診した患者の医療記録を収集しているデータベースに2000~07年に登録された患者のうち、成人の新規診断痛風患者(2万4768人)と、年齢、性別などがマッチする痛風のないコントロール5万人について分析した。

 主要評価指標は、降圧薬使用に関連する痛風罹患とした。

 痛風群においては降圧薬の使用状況に基づいて患者を以下の4群に分けた。「現在の使用」(最新の処方期間が痛風発症日を含む、または発症日の30日前以内)、「最近の使用」(最新の処方期間が痛風発症の31日前から365日前までの間)、「過去の使用」(最新の処方期間が痛風発症日からさかのぼること365日より前)、「使用歴なし」(痛風発症前に1度も使用せず)。

 痛風患者群のうち、痛風発症前から高血圧だったのは1万2858人(51.9%)。高血圧ではない患者に比べ、高血圧患者の痛風罹患の相対リスクは、年齢、性別、年度、一般開業医受診で調整すると1.99(95%信頼区間1.92-2.06)、さらに共変数を加えて調整しても1.75(1.69-1.82)だった。

 降圧薬の種類別に使用と痛風の関係を調べて、年齢、性別、BMI、一般開業医受診、飲酒、喫煙、関連する薬剤の使用、合併疾患(痛風診断前からの虚血性心疾患、高血圧、高脂血症、腎不全、心不全)、他の降圧薬の使用などで調整し、当該薬の使用歴のない患者との相対リスクで示した。

 高血圧患者のうち、Ca拮抗薬の現在使用者の痛風罹患の調整相対リスクは0.87 (95%信頼区間0.82-0.93) で、使用歴なしの患者に比べて有意に低かった。絶対リスク差は10万人-年当たり60例になった。Ca拮抗薬の最近の使用、過去の使用は痛風リスクの有意な低下に関係していなかった。高血圧ではない患者でも、Ca拮抗薬の現在の使用は痛風リスクを低下させていた(調整相対リスクは0.84、0.73-0.97)。

 Ca拮抗薬の種類別に見ると、アムロジピン使用者の相対リスクは0.79(0.73-0.86)、ニフェジピン使用者は0.87(0.78-0.97)、ジルチアゼム使用者は0.86(0.75-0.99)だった。

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