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BMJ誌から
眼瞼黄色腫は虚血性心疾患と死亡の独立した予測因子
デンマークで行われた大規模前向き研究の結果

 高脂血症患者に多く見られる眼瞼黄色腫が、高脂血症などの心血管危険因子とは独立してその後の虚血性心疾患死亡の予測因子になることが、眼瞼黄色腫、角膜輪のある人々を平均22年追跡した大規模コホート研究で示された。デンマークCopenhagen大学病院のMette Christoffersen氏らが、BMJ誌電子版に2011年9月15日に報告した。

 眼瞼黄色腫はまぶたに、角膜輪は角膜辺縁にコレステロールエステルが沈着することにより発生する。これらが認められれば高脂血症を疑うが、実は約半数の患者に血中脂質量の上昇は見られない。

 黄色腫と角膜輪が、高脂血症から独立した虚血性イベントの予測因子であるかどうかを調べた大規模前向き研究はこれまで行われていなかった。「もし、これらが虚血性イベントを予測できるなら、一見しただけで診断が可能な黄色腫と角膜輪ほど利用しやすい危険因子はないだろう」と考えた著者らは、黄色腫と角膜輪はそれぞれ独立して、または合わせて、一般の人々の虚血性血管疾患と死亡を予測するという仮説を立て、これを検証するために集団ベースの前向きコホート研究を実施した。

 デンマークの一般市民からなるCopenhagen City Heart Studyコホートの中から、1976~78年に20~93歳で、虚血性血管疾患の既往がなかった1万2745人を09年5月まで追跡した。追跡率は100%だった。

 ベースラインで黄色腫または角膜輪を有していた人々について、心筋梗塞、虚血性心疾患(致死的または非致死的心筋梗塞、狭心症、血行再建術施行)、虚血性脳卒中、虚血性脳血管疾患(虚血性脳卒中、一過性脳虚血発作、一過性黒内障)、死亡と、重症アテローム性動脈硬化症(足関節上腕血圧指数が0.9未満とした)のリスクを、黄色腫または角膜輪がなかった人々と比較した。既知の危険因子として、年齢、性別、総コレステロール値、トリグリセリド値、BMI、高血圧、糖尿病、喫煙歴、飲酒量、脂質降下薬の使用、身体活動量、学歴、収入、虚血性血管疾患の家族歴で調整し、さらに女性の場合は閉経とホルモン補充療法(HRT)も調整に加えた。重症アテローム性動脈硬化症についてはオッズ比を、その他のイベントについてはハザード比を求めた。

 ベースラインで563人(4.4%)に黄色腫が、3159人(24.8%)に角膜輪が認められた。黄色腫の有病率に男女差はなかった。角膜輪の有病率は男性が30.2%、女性が20.1%で差は有意だった(P<0.001)。黄色腫または角膜輪が認められた人々は、それぞれ認められなかった人々に比べて、総コレステロール値、LDL-c値、アポリポ蛋白質B値、トリグリセリド値は有意に高かった。

 33年(平均22年)の追跡で、1872人が心筋梗塞、3699人が虚血性心疾患、1498人が虚血性脳卒中、1815人が虚血性脳血管疾患を経験し、8507人が死亡した。

 ベースラインで黄色腫がなかった群(1万2182人)との比較で、黄色腫あり群の多変量調整ハザード比は、心筋梗塞が1.48(95%信頼区間1.23-1.79)、虚血性心疾患が1.39(1.20-1.60)、虚血性脳卒中が0.94(0.73-1.21)、虚血性脳血管疾患が0.91(0.72-1.15)、死亡は1.14(1.04-1.26)で、重症アテローム性動脈硬化症のオッズ比は1.69(1.03-2.79)になった。

 生存期間の中央値は、黄色腫あり群が75歳、なし群が78歳(P<0.001)と有意差が見られた。

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