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BMJ誌から
小児のアデノイド切除に上気道感染の抑制効果みられず
オランダで行われた多施設無作為化試験の結果

 西欧では上気道感染を繰り返す小児の多くにアデノイド切除術が適用される。だが、オランダUtrecht大学医療センターのM T A van den Aardweg氏らが行った無作為化試験の結果、術後2年間の上気道感染の発生率は、注意深い観察に割り付けられた小児と同程度であることが分かった。論文は、BMJ誌2011年9月10日号に掲載された。

 上気道感染は小児の病気としてはごく一般的だが、約20%の小児は感染を繰り返す。そうした患者の多くが耳鼻咽喉科に紹介されて、外科的治療の適用が検討される。主な外科的治療の1つがアデノイド切除術だが、国によって適用率は大きく異なる。その理由が、上気道感染を繰り返す小児に対するこの治療の有効性を示したエビデンスがほとんどないためではないかと考えた著者らは、質の高い無作為化試験を行うことにした。

 07年4月から10年10月まで、総合病院11カ所と大学病院2カ所で、オープンラベルの多施設無作為化試験を実施した。上気道感染を繰り返し、アデノイド切除術の対象とみなされた1歳から6歳の小児を登録。鼓膜チューブ留置が予定されていた患者などは除外した。条件を満たした111人を、6週以内にアデノイド切除(54人、平均月齢は生後36カ月)、または注意深い観察(57人、38カ月)に割り付けた。

 主要アウトカム評価指標は、24カ月間の1人-年当たりの上気道感染の回数とし、2次評価指標は1人-年当たりの上気道感染日数、発熱を伴う中耳疾患の回数と日数、発熱があった日数と、健康関連QOLなどに設定した。分析はintention-to-treatで行った。

 切除術に割り付けられた患者は全員が6週以内にアデノイド切除を受けた。一方、観察群でも23人(40%)が追跡期間中にアデノイド切除術を受けた。追跡からの脱落は切除群が4人、観察群が7人だった。

 中央値24カ月の追跡で、切除群に発生した上気道感染は1人-年当たり7.91回、観察群は7.84回で、罹患率の差は0.07(95%信頼区間-0.70から0.85)と有意差を示さなかった。1年目の罹患率は1人-年当たり9.22と9.39(差は-0.17、-1.34から1.00)、2年目は6.55と6.17(差は0.37、-0.62から1.37)だった。

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