日経メディカルのロゴ画像

BMJ誌から
骨粗鬆症性圧迫骨折への椎体形成術、痛みと機能の改善レベルはシャム治療と差なし
2件の無作為化試験のメタ分析の結果

 骨粗鬆症による椎体圧迫骨折に対する椎体形成術の有効性と安全性を、シャム(sham)治療と比較したメタ分析で、1カ月後の痛みと機能障害の改善レベルにおいて両者に差がないことが示された。オーストラリアMonash大学のMargaret P Staples氏らが、BMJ誌2011年7月16日号に報告した。

 これまで、患者と評価者を盲検化して、骨粗鬆症による椎体圧迫骨折に対する椎体形成術の有効性をシャム治療と比較した無作為化試験は、2件しか行われていない。これらの試験では、患者全体を対象とした分析では椎体形成術の利益は有意にならず、サブグループ解析では一部の患者群に対する効果が示唆される一方で、登録患者の一部に椎体形成術が適していたかどうかが疑問視された。

 その後、椎体圧迫骨折に対する椎体形成術と保存療法の有効性を比較したオープンラベルの大規模無作為化試験「Vertos II」が行われた。しかし、椎体形成術群に、盲検化されなかった影響を打ち消すほどの利益は認められなかった。

 専門家の中には、椎体形成術は、症状が現れてから6週未満の患者や、強い痛みを訴える患者には有効だと考える人々がいる。先の2件の無作為化試験の登録患者の中にそうした条件を満たす患者が含まれていたことから、著者らは、個々の患者のデータを抽出し、メタ分析を行うことにより、これらサブグループへの椎体形成術の効果を明らかにしようと考えた。

 2件の多施設無作為化試験は、オーストラリアと米国で行われた。いずれも、対照群には局所麻酔の上でシャム治療が行われていた。今回分析対象になったのは、骨粗鬆症による脊椎椎体圧迫骨折と診断された209人の患者(オーストラリアの78人と米国の131人)だ。

 それらの中で、痛みが現れてから6週以内の患者は57人(27%)で、うち25人が椎体形成術に、32人がシャム治療に割り付けられていた。残りの患者は6週を過ぎてからの登録で、81人が椎体形成術、71人がシャム治療に割り付けられていた。

 ベースラインで強い痛み(数字評価スケール0~10のうちの8以上)を訴えた患者は99人(47%)で、うち50人が椎体形成術に、49人がシャム治療に割り付けられていた。疼痛スコアが8未満だった患者では、56人が椎体形成術に、54人がシャム治療に割り付けられていた。

 主要アウトカム評価指標は、1カ月後の数字評価スケールを用いた疼痛スコア(0~10の範囲)と修正Roland-Morris機能障害質問票を用いて評価した機能障害スコア(0~23の範囲)とした。そのほか、疼痛スコアまたは障害スコアが3ポイント以上改善、すなわち「臨床的に意義のある改善」を経験した患者の割合を比較した。

 なお、著者らは、両群間の疼痛スコアの変化量の差が1.5ポイント以上あった場合と、機能障害のスコアについては変化量の差が2または3ポイント以上開いた場合に、臨床的に意義のある差とみなした。

この記事を読んでいる人におすすめ