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BMJ誌から
妊婦の睡眠時の姿勢は死産のリスクと関係?

 死産の危険因子を探すAuckland Stillbirth Studyの一環として行われた研究で、入眠時の姿勢が左側臥位である妊婦に比べ、それ以外の姿勢をとる妊婦では、妊娠28週以降の死産リスクが高いことが示された。ニュージーランドAuckland大学のTomasina Stacey氏らがBMJ誌2011年6月18日号に報告した。

 先進国の死産率は過去20年間ほとんど変化していない。危険因子を探す研究は数多く行われているが、妊婦の生活習慣に関連する危険因子の研究は進んでいなかった。人は1日の約3分の1の時間を眠りに費やしている。しかし、睡眠習慣が胎児の発育に及ぼす影響を調べた研究はほとんどなく、特に死産との関係について報告した論文は症例報告1件にとどまっていた。

 著者らは、妊婦のいびき、睡眠姿勢といった睡眠にかかわる習慣が死産のリスクに関係するかどうかを調べる集団ベースのケースコントロール研究を実施した。

 ケースは、Auckland市内の病院で出産を予定していたが、06年7月から09年6月までの間に、先天異常のない単胎児を妊娠28週以降に死産した女性。それらのケース1人につき2人のコントロールを選んだ。コントロールは、ケースの女性の死産時と同じ妊娠週数で、単胎児を妊娠中の女性とした。

 ケースについては、死産から数週以内に面接し、質問票に対する回答を依頼した。コントロールについては、該当するケースが死産した時点の妊娠週数から数週間以内に同様の調査を実施した。

 睡眠習慣については、妊娠前、死産前月、死産前週、死産前夜(ケースについては、妊婦が胎児死亡を感じた日の直前の睡眠、コントロールについてはインタビューの直前の睡眠とした)の状態を尋ねた。人口統計学的なデータと交絡因子候補に関する情報も収集。得られた情報を利用して、妊婦のいびき、昼間の眠気(Epworth眠気尺度を用いて評価)、入眠時と覚醒時の姿勢(仰臥位、右側臥位、左側臥位、その他)などと死産の関係を評価した。

 対象期間中にAucklandにおいて発生した妊娠28週以降の死産は215件、発生率は出産1000件当たり3.09だった。215人のうち、条件を満たし、かつ同意が得られた155人を分析対象にした。死産の原因は多くが不明だった。

 自己申告されたいびきは、妊娠前、妊娠中ともに死産と関係していなかった。ケース(155人)の45%、コントロール(310人)の42%が妊娠中にいびきをかいたと報告しており、オッズ比は1.12(95%信頼区間0.75-1.67)。

 昼間の眠気と死産リスクの間にも有意な関係は認められなかった。昼間の眠気のスコアの平均は、ケースが5.9、コントロールが5.6だった(P=0.51)。

 妊娠前、死産の前月、前週、前夜の入眠時の姿勢と覚醒時の姿勢の中で、単変量解析により死産との有意な関係が示されたのは、前夜の入眠時と覚醒時の姿勢だった。いずれも左側臥位に比べ右側臥位または仰臥位の死産リスクが高かったことから、入眠時と覚醒時の睡眠姿勢を組み合わせて単変量オッズ比を求めた。入眠時、覚醒時ともに左側臥位の妊婦を参照群とすると、入眠時、覚醒時ともに左側臥位以外の姿勢だった妊婦の死産のオッズ比は、2.28(1.35-3.52)になった。

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