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BMJ誌から
発熱で救急受診の小児の診断に有用なのはCRPとプロカルシトニン

 小児の重症感染症は急速に進行する危険性があるため、迅速かつ正確な診断が欠かせない。そのために役立つのは、白血球数や炎症マーカーなどの臨床検査値の中のどれなのか。この疑問に基づき系統的レビューとメタ分析を行った英Oxford大学のAnn Van den Bruel氏らは、発熱により救急部門を受診した小児の重症感染症の診断には、白血球数よりもCRPプロカルシトニンPCT)の値が有用であることを明らかにした。論文は、BMJ誌2011年6月11日号に掲載された。

 著者らは、病院内で実施が可能な血液検査を対象に、救急部門を受診した発熱のある小児の重症感染症診断における有用性を評価する系統的レビューを実施した。

 Medline、Embase、DARE、CINAHLといった文献データベースなどから、生後1カ月から18歳までの健康な小児で、欧州、カナダ、米国、オーストラリア、ニュージーランド、日本の救急部門を受診した患者を対象に、臨床的特徴や臨床検査結果の重症感染症診断における精度を調べていた研究を選出した。重症感染症は、敗血症(菌血症も含む)、髄膜炎、肺炎、骨髄炎、蜂巣炎、脱水のある胃腸炎、合併症のある尿路感染とした。

 条件を満たしたのは、13件の研究について報告していた14本の論文。QUADAS基準を用いてそれらの研究の質を評価したところ、方法論的質が高いと判定されたものはなく、すべて中等度以下と判断された。

 重症感染症の有病率は20.5%(レンジは4.5~29.3%)だった。

 CRPについて評価していた研究は5件、PCTについては3件、赤血球沈降速度が1件、インターロイキンが2件、白血球数が7件、好中球絶対数が2件、未熟好中球数が3件、左方移動(未熟な好中球の増加)が1件。

 それぞれの研究が示したCRPの陽性尤度比(検査結果が陽性であった場合に患者が重症感染症である可能性の高さを示す)は、2.40から3.79、陰性尤度比(検査結果が陰性だった場合に重症感染症の可能性がどれほど低いかを示す)は0.25から0.61だった。PCTの陽性尤度比は1.75から3.11、陰性尤度比は0.08から0.35で、インターロイキンは、それぞれ1.89から2.74と0.33から0.77だった。

 白血球数については、陽性尤度比は0.87から2.43、陰性尤度比は0.61から1.14で、白血球数は重症感染症の診断においては有用性が低く、重症有害事象の除外には有用ではないことが明らかになった。

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