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BMJ誌から
中高年女性へのカルシウム投与が心血管イベントリスク上昇に関係
WHI CaD Studyの再分析などによる結果

 骨粗鬆症の予防と治療に、ビタミンDカルシウムまたはカルシウムのみを含むサプリメントが広く用いられている。だが、ニュージーランドAuckland大学のMark J Bollan氏らが行ったメタ分析で、中高年の女性のカルシウム使用が、骨折予防効果を上回る心血管イベントリスク上昇をもたらす可能性が示された。論文は、BMJ誌2011年4月30日号に掲載された。

 著者らは先に、高齢の健康な女性を対象とする5年間の無作為化試験Auckland Calcium研究を行い、カルシウムサプリに割り付けられた女性に心血管イベントリスクの上昇が見られると報告していた。その後、中高年女性対象のカルシウムサプリ(ビタミンD併用なし)に関する無作為化試験のメタ分析を行い、カルシウムサプリの使用が心筋梗塞リスクを有意に上昇させることを示した。だが、ビタミンDを併用した場合の心血管リスクへの影響は明らかではなかった。

 そこで今回著者らは、Women's Health Initiative Calcium/Vitamin D Supplementation Study(WHI CaD Study)のデータの再分析と、それらデータを組み入れたメタ分析を行い、カルシウムまたはカルシウム+ビタミンDが女性の心血管リスクに及ぼす影響をより詳細に調べることにした。

 WHI CaD Studyは3万6282人を登録、7年間にわたって行われた大規模無作為化研究で、カルシウム+ビタミンDによる骨折リスクの低減を報告している。だが、ベースラインで54%の女性がカルシウムサプリを、47%の女性がビタミンDサプリを個人的に摂取していた。こうした背景は、介入の利益とリスクを曖昧にする。著者らはまず、この試験のデータセットを再分析し、続いて他の研究のデータと組み合わせてメタ分析を実施した。

 主要アウトカム評価指標は、4種類の心血管イベント(心筋梗塞、冠動脈血行再建術、冠疾患死亡、脳卒中)のそれぞれと、それらを組み合わせた複合イベントに設定した。

 WHI CaD Studyでは、地域在住の閉経女性をカルシウム1g/日+ビタミンD 400IU/日または偽薬に割り付けていた。ベースラインでカルシウムサプリを使用していなかった女性は1万6718人(46%、平均年齢62.9歳)、カルシウムサプリの使用があった女性は1万9564人(54%、平均年齢63.9歳)だった。

 カルシウムサプリの使用がなかったグループでは、カルシウム+ビタミンD群の心血管イベントのハザード比は1.13から1.22の間だった。心筋梗塞または血行再建術のハザード比は1.16(95%信頼区間1.01-1.34、P=0.04)、心筋梗塞または脳卒中のハザード比は1.16(1.00-1.35、P=0.05)、心筋梗塞のハザード比は1.22(1.00-1.50、P=0.05)と、リスク上昇は統計学的有意性またはボーダーラインの有意性を示した。

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